和歌山県飲食業生活衛生同業組合総代会が開催されました。今年で45回目を迎える歴史ある大会です。会場は白浜町のホテルむさしです。県内各地から代議員の皆さんが集まり議案を審議していきました。私は来賓としてお招きをいただき総代会で挨拶の機会を頂戴し、また夕方からの交流会にも参加させてもらいました。
挨拶の主旨は次の通りです。
本日の第45回目を迎える総代会のご盛会、誠におめでとうございます。また表彰を受けた皆さんには心からおめでとうと申し上げます。
さて5月末には組合員の皆さん方と全飲連全国大会に参加してきました。今年の会場は東京都でしたが、とても素晴らしく感動する大会でした。全国から飲食業を営んでいる皆さんの熱意、企画力、そして厳しい経済環境に負けないぞという強い意思が伝わってきた大会で、参加させてもらって本当に良かった、実情が少しでも分かることができたと思っています。
そしてご一緒させてもらった私として何のお役に立てるのかを考えました。現在、6月県議会定例会が開催中ですが、その中で消費税増税の問題を取り上げ、飲食業を含むサービス業がこれからも健全に発展できる支援ができないものか、一般質問として取り上げ知事、当局の皆さんと議論を交わしました。理事長の開会の挨拶にありましたように、県内の飲食業に携わる方々の経営環境をより厳しくさせるものであり、地方の経営者のことを考えていない増税であるという指摘は尤もなことです。
ただし消費税増税を決めるのは国会であり、議論をする主戦場も国会です。県議会で議論をすることはできても法案についての意見は届けられません。ですから、どのようにして皆さんの経営が安定するようにすべきかの議論を行いました。
消費税増税のポイントは二つあります。一つは経済状況が良くないこと、そして当面改善される見込みがない中での増税は、経済を更に悪化させることになります。デフレ経済からの脱却ができていないことから、所得が伸び悩み、給与の昇給見込みがない中において、平成26年度からは8パーセント、そして10パーセントに引き上げられることを決定する時期が良くないのです。 益々消費をしなくなりますから、デフレからの脱却は困難になります。単純に、所得が減少するので外食に出掛ける頻度を下げようと思うことになります。給与が増えると外食に出かけますが、給与が減少すると将来への供えとして貯蓄にまわすので、外食を初めとする支出を抑えようとする心理が働きます。
飲食業界にとってお客さんに来てもらうことが厳しい環境になるのが一つ目の問題です。
二つ目は、全国展開をしている大手飲食事業者はそのスケールメリットを活かして、消費税分を価格に転嫁することなく吸収してしまう恐れがあることです。現在、内税で1,000円にしている飲食店が10パーセトンになっても1,000円の価格をつけることも考えられます。
ところが地方の飲食店は5パーセントであれば内税として商品を販売していても、10パーセントになれば引き続き1,000円の単価で提供することは経営を圧迫することにつながります。つまり1,100円の料理をお客さんに提供することになります。
この場合、お客さんはどう思うのでしょうか。1,000円の食事と1,100円の食事を選択する場合、懐具合と相談するとどうしても1,000円の食事に向かうことになります。つまり全国展開しているチェーン店などに流れることになります。和歌山県内の飲食店は価格に転嫁させると太刀打ちできなくなる恐れがあるのです。でもそれでは経営を圧縛することになりますから判断に迷うところです。
そこで県として増税分を価格に上乗せできる転嫁カルテルを認めることを提言しています。良い意味のカルテルとも言うもので、例えば飲食業組合さんとして業界一律に10パーセントを価格に転嫁することを決定したとします。その取り決めについては県と連携します。この協定を破る事業者がないように県に監視してもらう、協定を守らなければ勧告してもらうことによって、正当な消費税増税分を確保できます。また大手飲食店に関しては国と連携を行い監視することで地方の事業者への影響を抑えることができます。このように業界全体で価格に転嫁することによって経営の圧迫を防ぐことができます。
そんなしくみについて議論を交わし、消費税増税が導入されるまでの時間の中で、県議会で提言、行動していきたいと考えています。そのためにこの議会から従来の文教委員会から経済警察委員会委員へと配置換えを希望しました。
飲食組合執行部と情報を密にして消費税増税への対応を行いたいと考えていますので、引き続きましてご指導いただきますよう主願いいたします。
本日の45回目の総代会をお祝いすると共に、和歌山県のなくてはならない飲食業組合の皆さんの発展をお祈りして挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
- 和歌の浦の新しいマップを頂戴しました。従来と違うのは地元の旅館や飲食店の紹介が入っていることです。簡単なことですが今までにない視点に基づいたパンフレットができました。
- 東京から、再生可能エネルギーの調査に事業を検討している役員の皆さんが来てくれました。和歌山県の他、近隣の候補地点を調査して帰京することになっています。
- 和歌山県の代表的産業である田辺市にある某会社の梅工場を訪れました。この地域は梅生産と加工が主要産業になっています。全国一の産業があることは強みです。県は全面的に支援を行っています。