活動報告・レポート
2012年6月23日(土)
訪問活動

本日一日は皆さんのところへの訪問活動を行いました。朝からご一緒していただいたNさんに深く感謝申し上げます。訪問した約50人の全ての皆さんが快き歓迎してくれたので、とても気持ち良く過ごせました。全ての皆さんに感謝しています。

Mさんの子どもさんはカナダ在住です。バンクーバー近くの町に暮らしていることから、時々Mさんご夫婦はカナダを訪れています。カナダのロッキー山脈を初めとする大自然は心を癒してくれるので大好きな国だと話してくれました。食べ物もおいしいのですが食事の量が多くて食べきれないようです。そして消費税の話しになりましたが、カナダの消費税は19パーセントだと伺いました。少し高いのですが、その分医療費制度は無料になっています。負担はするけれど社会保障が実現されている制度、これだったら納得できるという意見です。日本のように消費税を上げて社会保障制度の先送りするのでは納得できないという意見も併せて聞かせてもらいました。負担はするけれど社会保障も安心できるものにして欲しいという異見です。

Nさんは訪問をとても喜んでくれました。手伝えることは何でも言ってくださいと、活動している議員を応援したいと話してくれました。また昨年は留学生を受け入れてくれるなど国際活動への理解もあります。「和歌山県は閉鎖的なのでもっと外からの刺激を受け入れないと益々地域が遅れます」と言う意見は尤もだと思います。長い時間懇談してもらったことに感謝しています。

Fさんは趣味で能面を彫っています。趣味といっても20歳代の頃から彫刻をしていますから、趣味の領域を超えた作品が並んでいます。薪能の能面も製作しているなど、能面の表情が豊かです。喜びの顔、葛藤の顔、苦悩の顔、そして憂いの顔など、彫られた顔から表情が分かります。その能面を能楽師が装着して舞うと、その表情は一層引き立つのです。文化的な話を聞かせてもらいました。

Tさんは自動車工場の経営者です。この工場はエコアクション21の認定を受けている自動車修理工場です。地球環境に配慮した工場と修理工程を確立して認定を受けることができます。事実、工場内を見学させてもらいましたが、整理整頓がなされ、きれいな作業環境が整っています。ゴミの分別や修理場も作業環境が保たれていますし地球環境にやさしい機器が導入されています。

参考までに和歌山県内に自動車修理工場は約940工場ありますが、エコアクション21の認定を受けている自動車修理工場はこの一工場だけですから、余りにも少な過ぎます。県内で一箇所というのは全国で最も低いような気がします。自動車修理工場で環境意識が進んでいるのは京都府と鳥取県だと聞きました。京都府は京都議定書の約束の地ですし、鳥取県は片山元知事がこの分野に熱心だったことが要因です。

つまり環境問題はお金にならないため行政主導で意識させること、認定を取るように仕向けることが必要になります。業界任せではこれ以上エコアクション21の認定を受ける工場は出てこないようです。県が地球環境保全に関心がなければ行政主導でなくても良いのですが、関心があるのであれば、自動車修理工場にもエコアクション21の認定を取るように指導して欲しいものです。

現状は和歌山県や市町村からの定期点検や車検の仕事の入札事業者に対して、環境に配慮している事業者などの指定はなく、特段地球環境保全に務めていない事業者でも入札に参加できます。入札参加資格に地球環境問題への対応という項目がないので、誰もエコアクション21の認定を受けようとしないのです。

このエコアクション21の認定を受けるのに審査費用がかかりますし、審査までの準備や工場内の改善にも費用がかかります。そして毎年認定の更新料約10万円が維持費用として必要になりますから、資格の維持には相当のお金がかかることになります。そのためエコアクション21の資格を有している自動車修理工場の点検費用は、地球環境保全に務めるための機器や工程管理に費用が必要なため、どうしても費用は若干高くなります。品質維持費用がかかるのは当然のことです。

そのため行政機関の同点検業務の入札では不利になるのです。そのため県の入札で落札した実績はないようです。しかし仕事をとるためにエコアクション21に反した仕事をするつもりはありませんから、資格を保有しているために落札できない環境にあるのです。

それでもこの自動車修理工場の経営者はこの資格を廃棄する気持ちはなく、地球環境保全を考えると仮にコストが少し高くても配慮すべきであると考えています。

もし県が地球環境保全に務めている事業者であることという入札条件に入れるならば、エコアクション21の資格を取ろうとする事業者が増えます。県が本気で地球環境保全に取り組む気持ちがあれば、事業者への指導と入札条件の整備を強力に進める必要があります。

今のままではエコアクション21の資格に何の価値も見出せませんから、事業者が取得しようと思わないのです。事実、当初はエコアクション21の資格を保持していた自動車修理工場は県内で4工場ありましたが、3工場が資格更新を破棄しているため、1工場が残っているだけです。県の姿勢に問題があるように感じました。

同じように国土交通省からグリーン工場の認定を受けていますが、この認定があっても何の影響もないようです。行政機関ではその条件指定をした入札はありませんし、ユーザーもグリーン工場の存在は認知していませんから、それで選ばれることにはならないのです。地球環境保全に務めるには費用が必要です。しかしそれで収益を上げることはできません。お金がかかって収益は上がらない地球環境保全のための制度は有名無実化しています。この現状を県に伝え環境先進県を目指す気持ちがあるのかないのか、議論したいと考えています。