再生可能エネルギーの現地調査に入りました。関係者の皆さんと共に某市長が一緒に現場を案内してくれました。市長が市長室での市の姿勢の説明と再生可能エネルギーの現場の説明をしたくれた後、一緒に現地入りしてくれる姿勢に驚きました。それも担当の役職者も一緒に案内してくれたのです。約半日、私達のために時間を費やしてくれたことに深く感謝しています。
市長の考え方や姿勢を反映してか、同行してくれた職員の皆さんも話し易く、かつ真摯な姿勢で案内してくれました。こちら側の感覚としては「ようこそ私達の市に来てくれました。是非とも進出を検討して欲しいと思います」という気持ちが伝わってきました。
行政の高いサービス品質を目標に掲げているように、本日の対応も極めて高いレベルのものがありました。同行した皆さんと車中で話したのですが、「多くの市役所を訪問した経験がありますが、これだけ市長が対応してくれた市は初めてです」、「これだけフットワークが軽い市長がいると意思疎通が図れる上、責任者としての判断が早いので安心した事業計画が組める」などの意見を交わしました。
結論としてトップの姿勢、人柄によって行政組織や市の空気が変わるということです。局長や担当に至るまで市長の姿勢が浸透していることが分かるほどでした。
そして事業者からは「市長の熱心な姿勢と私達への対応に感動しました。何とか市長のお役に立つように計画を立てたい」と話をいただきました。人によって後の対応がこれだけ違うのです。丁寧な対応をしてくれた場合は、投資を含めた事業計画を進めてくれますが、対応が横柄であったり、歓迎ムードでない場合は、この市で事業を進めようとは思わないものです。何故ならその市で事業を行う場合、採算性が確保できる限りは基本的に継続事業となりますから、長くその市とつきあう必要が生じます。感じの悪い市や非協力的な市であった場合はつきあいたくないので、最初から進出するこという判断はしないものだからです。
事業計画や立地条件にも因りますが、基本的に人間関係、信頼関係が構築できる関係になることが当該市で事業を進める基となります。信頼関係が構築できなかったり、不信感を覚えた場合は、仕事のパートナーとは成りえません。トップの人柄や姿勢によって企業進出や民間事業者の事業計画は大きく左右されるのです。
今日のような歓迎ムードがあれば一緒にやろうという気持ちになりますし、何よりも市長の人柄に共感できたことからパートナー意識が強まりました。
しかし市によっては逆の場合があります。事業進出に関して別のある市で次のような出来事がありました。その市で事業を計画して相当額の資金投資をしようとしてくれていた企業がありました。事前に担当箇所と打ち合わせを行い、企業を代表する人と市役所の責任箇所と会ってもらいました。つまりこれから上手く事業化の進展が図れるようにと思っての顔合わせです。
ところが顔合わせは5分で終わりました。企業の皆さんは5分で席を立って帰ったのです。理由は信頼関係が構築できなかったこと、市役所の態度に不信感を抱いたからです。
「何のために来たのですか」、「その土地はお貸しすることはできません」、「今のところ貸すつもりはありませんが現地を見に行きますか」など言われたことから席を立ったのです。即座に私の携帯電話に連絡がありました。「話しになりません。どうなっているのですか」という強い口調での連絡でした。
まさかそんな対応をするとは思ってもいなかったので絶句しました。進出を検討してくれたのは世界的な企業であっただけに残念な結果となりました。これだけの悪印象を与えた限り「今後」はありません。
本日の市長の場合は信頼関係を得たのに対して、先日の例の場合は初対面で決裂したのです。同じ顔合わせでも対応の仕方によってその後の展開は全く違うものになります。一方は市に投資が生まれ事業化が進むことになります。もう一方の市の場合は、企業用地は塩漬けのまま推移することになり、新たな投資も事業化も図れません。そして現在の経済情勢ですから、その地方都市での新規投資は長い期間発生しないことになります。
前者の場合、市に動きが見え始めますが、後者の場合、市は停滞したままとなります。今日の出来事により、トップの姿勢によって市の将来が違うものになることを強く感じました。信頼できる人と一緒に仕事をしたいものです。
和歌山市内に戻り夕方からお祝いの会に出席しました。約2時間30分の会でしたが、最初から企画モノがありとても楽しい会となりました。上映したDVDは主催を担当してくれた皆さんが製作したもので、笑いと感動が詰め込まれていました。会の最後にはお祝いの気持ちを更に盛り上げてくれる企画がありました。
私も挨拶の機会を与えてくれたので一言お礼の挨拶をさせていただきました。こからもずっと皆さんとの信頼関係を保ち、一緒に活動ができることを楽しみにしています。
突然降り出した雨も私達を祝福してくれているように感じました。