活動報告・レポート
2012年5月1日(火)
議会報告会
打ち合わせ

午前中は再生可能エネルギーに関する打ち合わせ。連休の合間、県外から訪ねて来てくれました。和歌山県内ではありませんが、この分野への進出計画について相談を受けました。既に計画している候補地もあり具体化させる段階になっています。最近は再生可能エネルギーに関する問い合わせや依頼が多くなっているように、この分野への関心が高まっています。

福祉避難所

平成23年に県議会一般質問で質した、和歌山市内での福祉避難所の協定に関しての動きが見え始めました。内閣府による三連動地震の影響による紀伊半島への津波の高さは尋常ではない高さであり、和歌山市内への被害想定の見直しも必要となっています。見直しの結果は内閣府のスケジュールによると秋以降となりますが、それまでにも出来ることは対応しておきたいところです。福祉避難所は、高齢者を初めとする災害要支援者の安全確保のために必要な取り組みです。それぞれの地域に福祉避難所を設置しておくことで日常生活での安心が確保できるからです。

この取り組みがようやく前進し始めました。また福祉避難所を指定する意味は、大災害発生時は行政任せにするのではなくて、地域の安全は自分たちの地域で守る意識を日頃から持つことが大切なことを知らせてくれることにあります。地域の災害要支援者を把握し、非常時には福祉避難所に誘導するしくみを自治会内などで確立しておくことが、日頃からしておくべきことなのです。

福祉施設の経営者と地域の安全と安心について話し合うことができました。

議会報告会

縁友会に出席して県議会報告をいたしました。縁友会は主に企業経営者の方々を中心とした勉強会です。主宰者Kさんにご縁のある皆さんが集まり、Kさんの事務所にて勉強会を開催するものですが、今回もお招きをいただき、県議会報告の機会も頂戴しました。

ここでは異業種の皆さんですから、専門分野外の政治に関する話も興味深く聴いてくれました。最初ですから地方議会における議員の役割についてから話を進めました。

主な内容は次のとおりです。

地方議員は有権者の代表として議会に送り出してもらっています。ですからその役割は民意を代表して議会において県当局と議論を交わし、社会的正義である民意の望むところの結果を導くことにあります。議論は主に、年に4回開催する本会議とそれぞれの専門に分かれている委員会で発言することになります。これらの議会で発言した内容、質疑の内容は公式な議事録として残されますから、当局が答弁と違った方向の仕事をしたり、答弁したことを進めなければ、結果として民意を無視した行政の仕事をすることになり問題となります。

そのため民意を代表する議員の議会での発言は重みがあるのです。

このように議員とは私達有権者の代表であり代弁者でもあります。決して権力者ではないのです。ややもすると議員には権力、権限があるように思っている人がいますが、権力を保持しているのは地方においては知事や市町村長です。選挙で選ばれた首長が地方自治体の権力を握っています。つまり行政機関のトップが行政の予算執行権や人事権を持つ権力者なのです。この権力と対峙する存在が議員なのです。議員は権力を監視する機能、権力に対してその政策の中に民意を反映させる役割があるのです。その方法が議会での議論なのです。今日の勉強会のように、各界の皆さんからの意見や質問を聞かせてもらうことで行政に持ち込む課題を知ることができます。

議会で議論され当局を説得させたり、必要な取り組みだと思わせることで、その提言について予算化されたり制度設計の中に組み込まれたりすることになります。そうすることで民意が行政の取り組みの中に活かされるのです。

皆さんの暮らす市町村でも議員が存在しています。自分たちが考えているまちづくり、健康や福祉、教育問題について質問してみて下さい。自分達の側に立って、話を聞いて当局と議論を行ってくれる議員がいれば、そのつながりを大事にしてくれたら良いと思います。もし聞く姿勢を持たないで議員なのに権力者であるような姿勢を取る人であれば、民意を反映してくれないと思います。もうお分かりのように、議員一人の力で予算執行権の持つ首長と立ち向かうことはできないからです。

議員は私達の味方の立場であるということが大前提です。県庁や市役所と一緒になっている存在であれば、その人は民意を反映させることはできません。是非とも、皆さんの地域の議員のホームページを確認して、その資質を確かめて下さい。ホームページがなかったり、あるけれども更新していなければ活動に疑問符がつくと思います。情報公開の時代ですから、自らの行動や発言、考え方を有権者の皆さんに知ってもらうことが重要になっているからです。私達の民意を反映してくれる代表が議員ですから、是非とも皆さんからの意見を提言して下さい。

一点、質問をいただきました。

質問。私の住む市の議会を傍聴したことがあります。しかし緊張感がありませんでした。それは議員も市長も原稿を読むだけだったからです。しかも執行部の人は議員の質問原稿を持っていました。出来レースだったことが問題だと感じました。出来レースの一般質問をしても効果がないのではないですか。

回答。その市役所のシステムがどうなっているのか不明ですが、前向きに考えることができます。一般質問の場で突然、問題提起を行ったとした場合、市長や執行部は責任ある答弁ができませんから、どうしても消極的な答弁になります。

例えば議員から、防災対策として県民全員に携帯電話を県費で購入し配布することを提案しますという質問があったとします。もし質問内容を通告していなければ、この質問を聞いた知事は、防災対策として緊急時の効果は期待できるものの、経費が膨大となり費用対効果の観点から難しいと考えます。今後の課題として検討いたします。などの答弁となりそうです。これでは質問した成果がないのです。

それに対して事前にこのような質問内容を通告しておくことで、当局がケースを想定して検討することができます。つまり携帯電話を配布するのに要する経費の総額、配布する携帯電話に付与する機能の選択、一度に全県下に配布することは単年度予算では難しいとしても、津波の危険のある市町村から配布する方法などを検討できます。例えば、全県民の皆さんに配布する場合、仮に5億円必要だとしたらこの施策の実現は難しくなりますが、毎年1億円を5年計画で導入を図る施策であれば不可能だとは言えず検討の余地が出てきます。

ですから通告されない場合と比較して本会議での答弁も違ったものになります。質問内容が何も分からなければ検討する時間もないので、正に「検討します」とう答弁になりますが、事前に質問内容が分かっていたら事前に責任箇所において検討する時間があるので、例えば、津波の被害が高い地域から毎年1億円ずつの予算化を図り、県民の皆さんの生命と安全を守るために順次取り組みを進められないかどうか検討します。という様な少し前向きな答弁になることも考えられます。

今回の携帯電話の配布の質問は全く架空の話ですが、このように通告しておくことの利点はあるのです。しかも自然に当局と質疑に関して十分に議論を交わし納得できるところまで詰めることができるのです。

ですからペーパーを読むだけに見えても、そこに至るまでに両者で議論が交わされ施策として実現できるように調整されていることも考えられるのです。その市議会の雰囲気は分かりませんが、前向きな取り組みをするための手段として事前にすり合わせをしている場合もありますから、一概に形式的な議会であるとは判断できないかも知れません。