活動報告・レポート
2012年3月13日(火)
文教委員会
文教委員会

文教委員会が開催されました。当初予算の審議のため、いつも以上に熱心な議論が交わされました。放射線に関する副読本について、県立武道館について、卒業式のあり方などに関しての議論がありました。文教委員会に関する私からの質疑は以下の通りです。

Q.昨日、県立高校の入試がありました。今回の高校受験者の競争倍率が1.0倍になっています。全員が入学できることは喜ばしいことですが、これは偶然なのか、それとも進路指導の成果なのでしょうか。

A.中学校における進路指導の成果だと思います。ただ公立高校の無償化に伴い公立高校の受験者が増加することや、県外高校への進学者が減少していることを勘案して、各高校の定数の増減を図るなどの対応をしています。その結果、倍率が1.0倍になったものだと考えています。

Q.進路指導は必要ですが、生徒には向上心や向学心を持ってもらいたいと考えています。事前に調整し切ってしまうと闘争心がなくなる恐れがあります。今回、第一次の願書出願で倍率の高かった高校の倍率が結果的には下がり、第二次の出願を締め切った倍率は平準化されて1.0倍になっているようなら問題もあります。 私の学力はこの程度なので、この学校が適していると自己判断をしてしまうと、一つでも上を目指そうとする気持ちがなくなります。実力の少し上を目指すことが向学心であり、その心を失ってはいけないのです。

A.その通りです。生徒の進路指導においては、向上心を持たせることが必要で、意欲を失わせるような進路指導になっていないと考えています。

Q.和歌山北高校の西校舎の倍率が高く、またきのくに青雲高校の倍率が高くなっています。新設高校の動向はPTAも注目していたのですが、倍率が高くなっています。和歌山北高校の北校舎の倍率も定員を上回っていることから、西校舎志望の生徒で合格しなかった生徒は第二志望などで救済する必要があると思います。その場合の救済の余地はあるのでしょうか。また新設校の定員が上回ったことによる指導体制はありますか。

A.中学校で進路指導はしています。第二志望は1.0倍を越えた生徒を救済することは出来ませんが、定員割れの高校の再募集に際して、生徒の学力などを総合判断して追試に備えて学力検査を受けてもらえる体制を取ってもらう予定です。

Q.教育予算の92.4パーセントが人権費なのは、学力向上のための最も重要なことは教師だということを示しています。他の予算と比較して突出していることからすると、教師のレベルが学力レベルに直結していると思います。文教委員会の県外視察でも議論したことですが、和歌山県の学力レベルが全国平均を下回っていることに関して、どんな対策を考えていますか。また学力向上の大きな要素となっていると思われる教師のレベル向上に向けての新しい取り組みはありますか。

A.学力向上に向けての対策は学校現場における管理監督者研修を行っていますし、管理監督者の意識改革の取り組みも行っています。また小冊子の作成と配布による啓発活動、そして積極的な公開授業を行ったり、教育の匠の先生による公開研修会を行うなど、教師と生徒のための学力向上に向けた取り組みを行っています。またノートのとりかたの改善なども意識する力を身につけることなども指導しています。

Q.メンタルヘルスに関する質問です。現在精神疾患で休んでいる教師はどれ位いますか。全国的な水準はどの程度になりますか。また、これまでの教師の皆さんに対するメンタルヘルスの取り組みは、どんなもことをしていますか。

A.平成23年度のデータはないので平成22年度の実績を示します。県全体で精神疾患の理由で休職している教師は59名です。全国では5,407名となっています。教師全体との比較では和歌山県では0.6パーセントとなっていて、全国の比率も0.6パーセントですから、ほぼ全国と同程度の精神疾患となっています。

Q.厚生労働省では「労働安全衛生法の一部を改正する法律案要綱」の法制化を進めています。この中のメンタルヘルス対策では、「医師または保健師による労働者の精神的健康の状況を把握するための検査を行うことを事業者に義務づける」ことが定められています。
心の健康問題は個人情報保護と人事労務管理にも関わることなので、対策は難しいものですが、厚生労働省の資料からすると、一時予防やセルフケアを推進する必要性も感じます。しかも一時的な対応ではなくて長期的、継続的に実施する必要があるため、管理側の負担が増えると思います。従って教師の方々に対してセルフケアの支援が必要となります。ストレスへの気づき、ストレスの対処などのセルフチェックを行うことで、休職者増加を予防することが大事なことです。法制化されると新たな対策が必要となる場合もありますが、今から何か備えておく必要はありませんか。

A.日頃の不安や心配事を如何に取り除くかが問題だと考えています。心のバランスを保つために学校においては、臨床心理士や産業医を配置してストレス相談のできる体制を整えています。また精神疾患から復帰を目指す教師がいる場合、管理監督者が適切な指導を行えるように、管理監督者研修を行って対応しています。
またセルフチェックを行えるしくみも設けていて、セルフチェックの用紙を各学校に配布して各教師が自分でチェックできるような取り組みになっています。法改正の内容が固まり次第、遅滞なく適切に対応したいと考えています。

Q.小学校、中学校の適正規模化にかかる市町村支援予算に関して、和歌山市の統合準備に関して過去に予算の支出はしていますか。

A.和歌山市では、雄湊小学校、本町小学校、城北小学校と伏虎中学校を統合して小中一貫教育を目指しています。平成23年度は推進協議会の運営費用として50万円を和歌山市に対して支出しています。

Q.では平成24年度は和歌山市に対して支出予定はありますか。

A.推進協議会の活動が一段落したと聞いているので、平成24年度の支出予定はありません。

以上が要約です。質疑終了後、文教委員会に付託された議案の採決を行いました。全員賛成で提案議案は全て可決されました。今後は、本会議最終日に委員長報告と採決が行われる予定です。

龍神体操
龍神体操

文教委員会終了後、龍神村に向かいました。目的は本日お披露目となる龍神体操を見に行くためです。地域振興と、地域の皆さんがいつまでも健康でいられるようにと思って、毎日でも自分で出来る体操を作り、地元の皆さんに親しんでもらえるように創作したものです。体操の目的は様々ですが、健康維持、体力向上、美容上のスタイルを保つことや病気にならないことを目指すことなどがあります。毎日体操を続けることでこれらの効果があります。しかも地域の人なら誰でも知っている体操があると誇りにもなります。今日現在の龍神体操は、「明日があるさ」などの歌に合わせています。理想はオリジナル曲ですから課題はあります。しかし参加してくれた皆さんからは好評で、続けていきたいという意見が数多くありました。体操に加えてピラティスによる美容と体力強化についての指導もあり、参加者の関心は高まりました。

この龍神体操は平成24年3月23日と24日で開催される、龍神村を舞台とする美意識ツアーでも実践されることになっています。この美意識ツアーは20名の定員に対して50名の募集がありました。龍神村で50名を集める観光企画は素晴らしいものです。泣く泣く20名に絞ってツアーを実施しますが、この時も参加者の皆さんに龍神体操を体験してもらうことにしています。

龍神村発の健康体操が和歌山県全域に拡大するように期待しています。龍神村はとても元気な地域であることが分かりました。

懇談会

夕方からは教育委員会の皆さんと懇談会の機会を設けてもらいました。意見交換が図れた有意義な時間でした。ここで分かったことは、教師は使命感に燃えているという事です。勉強を教えることや生徒と関わることが楽しくて仕方のない教師が大半なのです。教師は大変厳しい仕事ですから、授業や生徒が好きでなければ勤まりません。

卒業式の時に一緒に涙を流してくれる教師がいることは私達の財産です。本気で生徒と向かい合ってくれる教師が和歌山県にはたくさんいます。和歌山県の教育は大丈夫だと感じました。理想を言えば、生徒の思い出に残る教師であって欲しいものです。生徒は教師を見て育っているのです。教師の本気度や熱意が生徒を育てるのです。

教師が生徒と本気で向き合えば、文化祭や体育祭などでは学年で一番を取ることができます。一所懸命にやった記憶は人生の宝物です。教師は生徒に人生の宝物を与えて欲しいものです。そんな意見交換が行えたことを嬉しく思います。