活動報告・レポート
2012年2月26日(日)
訪問活動

本当に風が冷たい一日でした。午前8時に自宅を出発し今日の訪問予定先に向かいました。途中、立ち寄り場所があったため少し予定を変更しましたが、予定通りの約50人の皆さんを訪問することができました。寒い中、対応していただいた皆さん、そして迎え入れてくれた皆さんに深く感謝しています。

朝一番に訪問したのがTさん宅です。訪問時間が少し早すぎたので驚きながらも迎え入れてくれました。いただいた温かいコーヒーは身体に染み入ります。「何もないので来てもらってもおもてなしができなくてね」と話してくれましたが、いつも楽しみに待ってくれていること、そして楽しい会話だけで満足です。以前、少し体調を崩されていたのですが、もう元気を取り戻していました。

その中で和歌山市の課題をひとつ挙げてくれました。高齢者が住みにくいまちだということです。それは車の運転ができなければ生活に困ることです。近くにスーパーがない、病院も遠いなど、高齢者にとって必要なものが各地域にないのです。高齢者は歩いて行動する範囲が生活圏に狭まっていますから、車の運転ができなければ不自由です。一人暮らしの場合は特にそれを感じています。

「和歌山市は住み易い気候ですし大好きなまちなので、高齢時代になっても暮らしやすいまちにして欲しいとですね」と話してくれました。

写真が趣味のTさんは、撮影してきた作品をパソコンでチェックしていました。Tさんは一度の撮影で700枚近くは撮っています。その中から約500枚を削除し、残した作品の中から引き伸ばすものや、作品展に出す写真などを選択していくのです。過去から写真がパソコンに収められ、その一部を見せてくれました。連続して拝見すると写真は生き物だと感じました。人物や花などは生命に溢れているように見えるのです。それは被写体となるその人物が懸命に生きている瞬間を捉えていることや、作者の心が詰まっているからです。そして3月9日からの作品展に展示する写真も決定し仕上げに入っています。

趣味とそのことについて語り合う仲間がいることは幸せなことです。

Mさんは休日でゆっくりしているところでした。職場は大阪市内のため通勤時間は約2時間30分ですから、普段はゆっくりしているようです。そして同僚との飲み会でコミュニケーションを図っています。「私の場合、仕事は飲めなくなったら駄目で出来ませんね」と言うように、一人でできる仕事はありません。同僚や取引先との連携があるので仕事が完成するのです。パソコンや帳票だけと向き合うのが仕事ではなくて、人間関係を築くのが仕事で大切なことです。Mさんにとって今も昔も変わらない姿勢です。

現役時代の仕事についてTさんが話してくれました。何かを達成する上で交渉相手のある仕事は困難が伴います。特に両者の利益が相反する場合は尚更です。ある時、Tさんが買い主、相手方が売主の案件がありました。期限が迫っているのに交渉は中々進展しませんでした。Tさんにとって相手の希望価格の本音が分からなかったのです。会社の規定に収まれば問題はないのですが、それを超える予算は設定できませんから、交渉でどれだけ低く抑えられるかが鍵となります。

硬直状態が続いていたある日、毎日立ち寄っていた喫茶店で次のような光景が繰り広げられていることに気づきました。政治家も毎日この喫茶店に来ているのです。そして同じテーブルの話の相手は毎日変わっているのです。つまり多くの人から必要な情報を収集しているのです。仕事を有利に進めるためには、その案件や相手に関わる情報を早く必要なものを入手しておくことです。その政治家は必要な情報を色々な人から入手していたのです。

そこでTさんは相手の取引先などを捜し自然な形で接触することにしました。そこで交渉相手の本音や希望金額などを把握し、期限内に予算内で交渉を成立させることができたのです。情報の重要性は今も昔も変わりません。情報を把握する手段は各方面に張り巡らせておくべきもので、複数の情報ルートを途絶えさせてはいけないのです。同じ立場、同じ価値観の人とのつきあいだけでは困難な仕事に対処できません。

様々な業界の人、考え方の違う人、敵対する相手などとも話し合えるルートを持っておくことが困難な仕事を達成させてくれます。大きな山ほど人との関わりや力のある人とのつながりが必要なのです。

今日も多くの人と出会いました。今感じていることは、人にはそれぞれの人生があるということです。懸命に生きている人の人生はどれも素晴らしいドラマがあり、教訓を与えてくれます。先輩方の人生の経験や歴史を引き継げる幸せを感じています。