活動報告・レポート
2012年2月21日(火)
アドバイス
アドバイス

ある先輩が訪ねてくれて次のような意見を述べてくれました。

ひとつだけからの情報を丸呑みにしていては駄目ですね。ニュースソースは複数から入手しなければ方向性を見誤ります。同じ価値を共有しているところからの情報だけでは偏りがあります。違った考えや価値観を持つ人との関係を構築し、自分の考え方の幅を持たせることが大切です。

一箇所だけからの情報や同じラインの情報だけで全体像を把握することはできません。違った部門、会社外の確かな情報を取り、それをつなげ合わせて全体像を掴み、そこから作戦を練ったり、課題があれば対処方法を検討することが大切です。上部からの情報を受けて下部に流すだけなら中間層の役割はありません。情報の内容を精査し自分が把握している各種情報を組み込んでから下部に伝達すべきです。

トップが何を考えているのか、これからどの方向に進もうとしているのかを把握することが重要なことです。但し、トップとは直接会う機会は限られていますから、会議での発言や訓示の中から方向性を発見する作業が必要となります。発言を暗記するまで覚える人がいますが、そんなことはやらなくても良いことです。把握すべきことは、トップの発言の変遷です。昨年の今頃の時期の発言と、たった今の発言内容を比較して会社の方針の違いを感じ取ることが大事なことです。過去の点と現在の点を結ぶと直線が現れます。それでどこに行こうとしているのか分かるのです。

そして、自分の幅を広げると共にすべきことは、自分の立場を理解して役割を果たすことです。先日、技能訓練がありました。職場代表として全社大会に出場するチームが連日激しい練習を続けています。そんな中、会社の中間管理職の人がチームの練習を見て指導に行ってくると言ったのです。「果たして現場に行って、現場経験を有している第一線の技術者の指導を出来るのですか」と尋ねました。中間管理職の役割は現場に行くことではありません。頑張っているチームを支援しようと思ったら、本社に行って技能発表大会の課題や点数の重み付け、評価基準などをチェックして代表チームの練習に反映させることなのです。技術指導は現場にリーダーがいますから任せておけば良いのです。本社とのパイプのある人がそれを活用して情報を確認してチームに伝達することが役割なのです。

自分の立場を理解して役割を果たすことが、その持ち場で考えて行動することになります。組織だから同じ行動をしていれば良いのではないのです。組織は有機的存在ですから、違った考え方とそれに基づいた行動があるべきで、大きな流れに向かっていればアプローチの方法は違う方が良いのです。

同じ方向を向いている糸は例え複数本あっても、社会の変化というハサミで切られると即座につながりは断ち切られます。ところが蜘蛛の巣のようにあちらこちらに糸が張り巡らされていると1回で断ち切ることはできません。組織とはこのような組み合わせが必要で、同質の組み合わせだけでは時代の変化に対応できないものです。

組織は幹を中心に枝葉を伸ばしておくこと、そして情報を探る触覚も伸ばしておくことが大事なことです。同じ価値観という殻の中に留まっていると、大きな変化の前では無力なのです。

お悔やみ

突然のご不幸がありました。私のことだけではなく、周囲の皆さんのことをとても大事にしてくれていたSさんがお亡くなりになりました。心からご冥福をお祈りいたします。突然の連絡を受け、お悔やみのため式場を訪ねました。いつも微笑んでいたSさんが親族に見守られて横になっていました。穏やかな顔を見ると、この世を去ったことが現実のものとして感じられます。

昨日、つまり月曜日の午前に定期健診を受けようとタクシーを呼んだことから始まります。タクシーに乗る直前に胸が気持ち良くないようで嘔吐したそうです。吐き気が治まったのでそしてタクシーに乗り込んだ後にも嘔吐して、それが器官につまり、そのまま息を引き取ったのです。余りにも突然のことで言葉がありません。

本当に人の面倒見が良い人で、多くの後輩から慕われています。最終に所長になったのは先輩や後輩から支えられたお陰だと考えていて、退職後は今まで支えてもらった皆さんに恩返しをしたいと考え、その通りの活動をしていました。退職者会の会長に就任してその会を楽しいものにしました。好きなカラオケクラブや写真クラブを結成して、みんなで楽しむ会として盛り上げを図りました。

そんなSさんですが最近は病や事故に襲われました。しかし持ち前の明るさと気力で病を克服、交通事故による影響もリハビリで克服して元気に写真やカラオケを楽しんでいました。困難な病や事故の影響を跳ね除けて回復させたSさんですから、もつと元気に長生きをしてくれるものと思っていました。先週も3月に予定している写真展について関係者と打合せをしていたように、この世を去る気配は全くありませんでした。

そして今日、ご不幸の連絡を受け驚くばかりです。私が20代の時にはもう所長職にあり、教えていただいたことや思い出がたくさんあります。そして退職者会でも支援してくれるなど、いつまで経っても面倒を見てくれていました。今はただただ感謝するばかりです。最後に会ったのは平成23年の秋でした。もうビールも飲めるようになり、健康状態は大丈夫だと思っていたのに残念なことです。

お悔やみに引き続いて通夜式に参列させていただきました。心よりご冥福をお祈りしています。今までのご恩に深く感謝しSさんの支援に対する成果をあげてご恩に応えることを誓います。ありがとうございました。