平成24年3月議会に向けての議会運営委員会が開かれました。平成24年度の予算案と平成23年度最終の補正予算案が提案されました。
平成24年度当初予算は5,748億円で前年度は5,427億円だったことから対前年比5.9パーセントの増加、増加額は321億円です。その内、公共投資予算は1,269億円で、対前年度比20.3パーセント、金額にすると214億円の増加です。
施策の柱は三つです。安全の政策、安心の政策、そして挑戦の政策です。安全の政策は、台風12号災害からの復興とともに将来起こりうる大規模災害に負けない郷土づくりを推進することにしています。注力するのは東海・南海・東南海地震などの大規模災害に備えること。台風や集中豪雨などの風水害への対策強化。台風12号災害からの復興が中心になっています。何よりも和歌山県としては台風12号から復興することが命題ですから、この点に力を入れることになります。
安心の政策では、児童虐待防止対策の強化。がん診療体制の強化。医療従事者の支援と確保、そして街頭犯罪の防止が注力する取り組みです。
挑戦の政策は、厳しい経済情勢の中においても明日の和歌山県を切り拓くために一人ひとりがチャレンジできる環境を整備することを目指します。技術開発と研究支援による成長産業の育成。ものづくり産業を支える人材の育成。農林水産分野における研究機能の強化、そして成長に不可欠な道路ネットワークの整備があげられています。
これらの議案についてこれから調査を行うことになります。そして3月県議会定例会で質疑を質すことになります。
議会運営委員会に引き続いて平成24年度重点施策説明会が開催されました。各部局が重点として考えている施策についての概要と予算案の説明を受けました。
私が質問した内容を中心に記載します。
私立学校振興策として私学助成金があります。この平成24年度予算は約35億5,335万円となっています。前年度との比較と補助の考え方ついて確認しました。予算規模はほぼ同額で補助制度の設計に関してもこの制度設計を継続した考えとなっています。
問題点は大阪府の私立学校の授業料が無償化になったことから、和歌山県内の私立学校の受験者が減少していると聞いていることです。まだ実績が不確かで検証もできていないのですが、受験者か減少しているようなら問題です。大阪府の私立学校と比較して授業料が安価であった和歌山県内の私立学校に受験に来ていた大阪府下の学生は地元の私立学校を受験することになりますし、和歌山県内で私立学校を志望している生徒は大阪府に流れることになります。今直ぐの表面的な問題にはならないかも知れませんが、近い将来、問題になる可能性があります。今は大学に進学する時に和歌山県から県外に学生が流出しているため若い人たちの人口が減少しています。一度県外にでると、大半の学生が戻ってこないことははっきりしています。
19歳から県外に出ている学生が16歳、中学受験をする生徒は13歳から県外に通学することになります。大阪府の私立学校に通学する生徒は、恐らく和歌山県内に戻ることはありません。それどころか子どもが大阪府の学校に進学することで、大阪府下に通勤している家族が大阪府内に引越しをしてしまう恐れもあります。人口の減少、そして現役世代それも若い家族層の人口が減少することは、和歌山県の健全な発展に課して大きなマイナス要素となります。和歌山県が現役世代を含む人口増加と県土発展を目指すのであれば、今から対策を講じなければならない問題です。
将来に向けた取り組みを考える必要性を指摘しました。課題は財政面と私立学校に必要以上の補助制度を適用することが良いのかどうかです。これから受験する学生の保護者にも聞き取り、将来に備えたいと考えています。
続いての質問は、地域交通確保維持改善施策、約2億3,105万円に関してのものです。この施策は地域に必要な広域的、幹線的なバス路線の維持確保を図るためバス事業者に対しての助成金です。バス路線維持のための補助制度は必要だと認識していますし、高齢社会の和歌山県にとって公共交通機関の維持を図るためには必要です。しかし毎年同じように補助金を支出するだけでは、過疎地域の公共交通機関維持の抜本的な解決にはつながらないように感じます。つまり大型路線バスを走らせるだけでは県費の支出だけが繰り返され、誰も乗っていないバスも補助金で走らせている状況を招きかねません。
2億円もの予算ですから、必要だというだけで制度を維持することは難しい時代が到来すると思います。ですからバスの代替交通手段として巡回タクシーを走らせることも提案できます。主に高齢者のためにスーパーや病院、主要駅を結ぶルートを設計し、そのルートに対して発車時間を決めて巡回のコミュニティタクシーを走らせる方法です。複数人が乗り合わせるタクシーのようなイメージです。これによって補助金を抑制できますし、小回りが効き利便性も向上します。タクシー会社によっては運行してくれるところがありますから、市町村と連携を図りながら、平成24年度は無理だとしても次の年度からの導入も検討して欲しいことを要望しました。
住宅用太陽光発電設備導入促進事業に関しての質問です。予算案は約2,960万円で約250軒分の予算を確保しています。対象は太陽光発電設備を設置する個人だけですが、事業者が無償で太陽光発電設備を住宅に設置する制度が検討されています。
東京都では事業者に対しても都の補助対象としています。太陽光発電の導入を考えている和歌山県ですから、個人だけではなくて事業者が設置した場合も東京都と同じように補助対象にすることもこの次の年度の課題として検討を進めて欲しいことを依頼しました。
夜からは和歌山ゴールドライオンズクラブ理事会に出席しました。また指名委員会も開催し、平成24年度の新体制の提案と承認がなされました。平成23年度の活動期間は残り5ヶ月ですが、もう時期体制が確立することになります。ライオンズクラブとは役割を分担しあうことが原則ですから役員は一年で改選しています。平成24年度は会長としての役割をいただき責任を感じますが、やるからには全力を尽くして会を盛り上げたいと考えています。
- 厚生労働省の制度ですが、法人が人の正規雇用を行った場合の支援制度に関して協議を行いました。対象や取り扱いに関して不明な点があり確認を急いでいます。真に雇用拡大を図ってくれている法人に対しては、国の制度を活用して欲しいと考えているからです。
この件に関して経営者と幹部の皆さんと話し合いました。 - 平成23年12月末で退職した方の再就職に関しての案件がありました。高齢者の再就職は難しいのですが、本人が希望する業種に募集があり、皆さんの協力を得て結果を出せそうです。結果が良ければ本当に嬉しいものです。