活動報告・レポート
2012年2月7日(火)
電力の問題

地方議員会議において、かなり衝撃的な説明を聞きました。これが電力総連からの意見ですから気持ち的には衝撃でした。福島県の原子力発電所から20km圏内の状況は悲惨すぎて言葉にならないそうです。実際に現地に入った役員の言葉です。今後の電力を論じる前に、今回の福島第一原子力発電所の事故については率直に反省すべきことが前提です。

そして今後のエネルギー問題を論じる前に、今回の事故によって福島県のこの用地を使える状態にするまでに40年という長い時間を要することを前提にした時間軸を認識することです。40年後のことを語っている私達の中で50歳以上の人は、もしかしたらその頃はこの世にいないかも知れないのです。そんな遠い先のことについて今から対応すべきで、それを解決しないままに原子力問題を論じられないのです。

今回の原子力事故によって新たなリスクが発見されました。

ひとつは雇用のリスク、もうひとつが電力供給のリスクです。一つの事故によって原子力発電所の稼動が難しい状況にあり、ここで働く人を初めとする雇用を守れない恐れがあることです。そして電力供給のリスクは説明するまでもありません。平成23年夏と平成24年冬の電力不足という社会の現実があります。原子力発電という電源が止まることによって供給のリスクが生じているのです。現時点においてこれを補える代替エネルギーはありませんから、社会にとってのリスクでもあります。

電力総連では東京電力の原子力職場で働く人の生の声も聞き取っています。私が直接聞いたものではないのでここに記すことはしませんが、厳しい声が届けられています。

今後、社会の中における原子力問題を扱う時の前提があります。現在と同じように原子力発電の比率が50パーセントの場合から、原子力発電の比率が0パーセントの場合までの0パーセントから50パーセントの中で今後のエネルギー問題を議論すべきなのです。

そして議論をする中に、わが国の地球温暖化への対応の問題、経済成長をどの程度見込むかの経済的問題、雇用確保と失業率の問題、そして電気料金制度と電気料金の水準の問題など、考えるべき社会的影響の高い項目が多く、原子力発電のことについて簡単に結論付けることはできないのです。

そして再生可能エネルギーの問題です。コストや小規模電源に過ぎないという議論から不要とすることは出来ない問題です。これからの社会において必要なエネルギーであることを前提として、火力発電、水力発電、原子力発電、再生可能エネルギーの4つで電源構成をどうもっていくのかを検討することになります。電力総連としては原子力の稼動時期について稼動判断について提言はしていませんし、再生可能エネルギーに関しては導入され易いシステムが必要であると提言しています。正に0パーセントから50パーセントのどの比率が適切なものかを議論した結論を導いてから出ないと、最適エネルギーバランスは見つけられないのです。

そしてその判断は、国が安全性と安定供給を総合勘案して結論を出すべきものです。エネルギー施策は国策であり、国が決定すべきものだということを知っておきたいものです。

その中には先に出した議論すべき内容に加えて、産業と雇用の空洞化の問題も現実の問題として扱うことになります。工場の海外移転の問題が言われていますが、それよりも大きな問題が潜んでいます。海外移転できるような大きな会社は、まだ問題は少ないのです。

問題は大きな会社が海外移転しても、同じように海外に工場を持っていけない中小規模の会社なのです。大企業の移転に伴って一緒に海外移転できない下請けの会社は潰れる以外にないのです。その問題が既に顕在化しています。産業と雇用の空洞化と同時に表れているのが中小規模の会社の倒産です。もう現在の経済も守れていないところか問題です。

政府は将来のことも大切ですが、今直面しているこれらの大きな課題にも対応すべきです。それを放置して将来のことばかりを述べている姿勢は疑問です。

最後に電気事業連合会と電力総連との間にも意見の相違があります。経済面で見るのか雇用面で見るのかによって議論の内容は違うからです。もう少し踏み込むと、国内産業の空洞化とわが国の企業の国際競争力の確保を重要視する観点と、雇用リスクを軽減させ幅広いエネルギーを受け入れる体制を重要視するのかによって違いがあるのです。後者の場合、興味深い視点があります。日本の電力会社のEはエレクトリックを現していますが、外国の電力供給事業者Eはエネルギーを現しています。つまり外国では電気もガスも同じ国を支えるエネルギー産業であり国策と連動させているのです。電気やガスの競争を言っているのではなくて、わが国のエネルギーをどうするのかが重要な議論となります。