活動報告・レポート
2012年1月25日(水)
文教委員会

和歌山県議会文教委員会の視察を行いました。初日の今日は、和歌山市内の県立青陵高校と陵雲高校の視察から始まりました。青陵高校は定時制高校、陵雲高校は通信制高校で、平成24年4月からは統合してきのくに青雲高校として新しい学校になります。

新しい学校になっても定時制と通信制は併設しますから、今までと同じように学び方に応じて課程を選択できることには変わりありません。

新しい学校への移行に備えて校門の設置、駐輪場の設置などハード面の整備を行っていますし、校歌と校章の準備も進められています。定時制は昼間部が70名、夜間部は30名の募集定員としていますが、状況に応じて定数100人の枠内とする見込みです。

かつて青陵高校は企業人が学ぶ高校として生徒も多くいましたが、今では企業人が学ぶ高校という性質よりも生徒の学びたい気持ちに応えられるような高校になっています。定時制ですが夜間よりも昼間の方の定数が多いなど、生徒が学びたいと思う時に学べる環境を整えています。

平成24年4月からは両校の募集はなくなり、きのくに青雲高校としての募集となります。但し両校の在校生はそのまま学ぶことになりますから、平成25年度末をもって完全に新しい高校になります。

新しい学校の誕生への機運が感じられました。

続いて沖縄県教育委員会を訪問しました。沖縄県教育委員会では国際人を育成するための外国語教育への取り組みを行っています。目指しているのは英語立県沖縄県で、外国語でのコミュニケーション能力を身に付けるための教育を目指しています。

外国語教育の柱はマスターイングリッシュ、留学生派遣、小学校外国語講座、外国青年招致、そして海外雄飛の5つから成り立っています。

この中で小学校外国語講座では、小学校の先生に対する指導を行っています。英語を教えた経験のない小学校の先生に対しては、「素人のあなたが主役です」という思いを込めて研修機会を提供しています。どうしても格好良く英語を教えたいと構えるため、授業に対して萎縮することになります。格好良く授業を進めなくても生徒と一緒に間違えながら授業の質を高めていくように指導しています。言い換えると「間違うあなたが主役」とも言えます。

また留学生も毎年派遣しています。1年間の留学経験をした生徒は、帰って来てからの成績も伸び、経験と自信と持って帰って来るのです。ただ女子の留学希望者が大半で、男子生徒の留学希望は少ないのが残念です。全国的な傾向ですが、米国などへの留学希望者は減少しているのです。快適な日本から外へ出たがらないことや経済的事情などが問題になっているのですが、そうしている間に中国や韓国から米国に留学する生徒が増えています。留学が全て良いとは言いませんが、若い時代の留学経験は何ものにも変えがたい経験となりますから、事情が許せば思い切って留学することをお勧めします。沖縄県では県事業として留学の拡大に取り組んでいます。数年先に大きな成果となって沖縄県出身の生徒は英語ができるとなっている未来が見えます。大人が生徒に英語を学ぶことを本気で勧めることが大事なことです。和歌山県の取り組みとの差を感じ、もっと英語教育への取り組みを強化する必要性を感じました。

沖縄県では交流と体験がキーワードで、小さな体験を大きく積み重ねることによって大きな成長につながることを信じた英語教育を実施しているのです。

英語立県沖縄推進戦略事業によって、全国一の英語県を目指している沖縄県の取り組みに刺激を受けました。