活動報告・レポート
2011年12月30日(金)
ご縁
市場調査

少し驚く話を聞きました。和歌山市内で飲食に進出するために市場調査をした会社があります。飲食である都市に進出する場合は必ず市場調査を行うのですが、一般的に週に一度夫婦で外食をする際に消費する金額が目安になるそうです。夫婦で一週間に一度1万円、つまり二人で2万円を使う人がいる人がどれだけいるのかを把握します。和歌山市の調査結果を聞いて驚きました。それに該当する人数は600人だったのです。一週間に一度外食をして2万円を支出している夫婦は600人だけなのです。和歌山市は中核市であり人口37万人の都市です。37万人都市の中で飲食店として経営が成り立つ層として基準にしている人数が600人は少ないと感じます。

2週間に一度、夫婦で2万円を支出している人数になると少し増えて1,200人です。一ヶ月に一度になるとその倍となっているようです。

それにしても一週間に2万円支出している夫婦が600人ですから、消費金額は1,200万円となります。それだけ集客できているお店がどれだけあるのか分かりませんが、10店だとしても一店辺り120万円です。他の都市と比較して、売り上げとしては大きなものではありません。それだけ市場は縮小していると言えますし、新規参入は難しい地域であるとも言えます。解消する手段は人口を増やすか経済規模を拡大するかのどちらかです。そのどちらも難しい問題ですから、和歌山市として何か一つに絞って全国一を宣言することも方法です。

何もしないで現状のままでいると、今以上に経済活動は低下します。そうならないためにも医療でも健康でも観光でも、何か特徴のあるまちづくりをすべきです。思っている以上に和歌山市の消費規模は小さいことを知った上で対策を講じたいところです。

ご縁

高校時代の恩師を訪ねました。年末の今日は自宅でいたので、久し振りにゆっくり話をすることが出来ました。「最近の政治は期待できないと思っていたら、橋下市長が誕生したので期待感が芽生えてきたね。和歌山県もチャンスだから私は応援している」と話してくれました。

そして平成23年12月県議会での陸奥宗光を取り上げた話をしたところ、先生が陸奥宗光の遠縁に当たることを知りました。陸奥宗光の後の和歌山県の衆議院議員は岡崎さんという人が10期務めたそうですが、その人が親戚なのですから世の中はご縁で溢れています。そのため外務大臣就任120周年行事を楽しみにしてくれています。

そして陸奥宗光に関する隠れたエピソードを聞かせてくれました。坂本龍馬が亀山社中を設立した時の借金を返済するために陸奥宗光がある役割を果たしたこと。米国で南方熊楠と一緒に学んだことなど興味深い話ばかりでした。

「人の縁は大切にしないと」と教えてくれました。先生が現役教師の時代の教え子の一人が、今年ある市の教育長になりましたが、それも先生との縁があったからです。その教え子は某工業高校卒業で、先生が当時のクラブ活動、ラグビーの担当だったのです。高校からラグビーを始めたのですが厳しい練習に耐えてレギュラーになりました。それどころか県を代表する選手になったのです。そして高校3年生になると、成績が優秀だったことから大手ゼネコンに就職が決まりました。

ところが、ラグビーのおもしろさに取り付かれたその教え子は、就職ではなくラグビーの強い大学に行きたいと相談に来たのです。しかし大手ゼネコンの就職を断った場合、翌年からこの工業高校からの就職は厳しくなります。先生は後に続く後輩のために「とりあえず就職して12月までは会社務めをしなさい。12月末で自己都合によって退社し、そこから受験勉強をしなさい」とアドバイスを行ったのです。

その教え子は、先生の言う通りに就職し、その年末に退職して勉強をしました。先生はラグビーの名門大学に声を掛けていたので、教え子は無事に合格しました。そこで4年間ラグビーと教職員課程を取っていたので、大学卒業後は地元に戻り教師になったのです。

そこから教育現場や教育委員会などで務めた後に退職したのです。そして今年和歌山市内のある市長から教育長に就任して欲しいと要請を受け同職に就きました。今は熱意ある教育者として活躍しています。

この教育長が高校時代に恩師となる先生と出会ったことによるご縁が、今につながっているのです。もし工業高校に入学していなかったとしたら、もし先生の勧めでラグビー部に入っていなかったとしたら、もし大手ゼネコンでそのまま勤務していたとしたら、教育長にはなっていなかったのです。

ご縁とは不思議なもので、これを大切にする人がその後の人生を駆け上がるようです。

こうした恩師との話は楽しい時間として過ぎていきました。話を伺ってから再び市内を巡りました。

教育者

元高校教師から教師の質の話を伺いました。今では少しはましになっていますが、数十年前までは、卒業式で日の丸を掲揚することや国歌を斉唱することは異論を唱える教師が数多くいたようです。卒業式前の職員会議で卒業式の内容を決めるのですが、そこで国旗や国歌の話になると否定する教師がいたのです。当時はどこの学校でもいたと言います。

この元教師は異論を主張する教師に対して、「もしあなたの子どもがオリンピックに出場したとしたら、日の丸のついたブレザーを着ないのですが。国を背負っているのに着ないで行進するのですか。もしあなたの子どもが国を代表する人になった場合、国際会議の場で、テーブルに両国の国旗を並べますが、それを取り除いて相手国と交渉するのですか。そんなことは出来ないでしょう」と話したそうです。

「国を代表する立場になれば国旗や国歌は必要なものなのに、何故学校内ではそう思わないのですか」と問い詰めると言葉はなかったそうです。国旗と国歌に誇りを持てないと扇動している国は世界の中で唯一つ、日本だけです。不思議なことです。

教育改革の中で「国旗と国歌を否定する教師に指導することや、人事評価が低い教師に退職を勧告することは正しいことだ」と意見を述べてくれました。教師は子ども達の未来への責任を背負っています。その責任ある教師が教師としての仕事を果たせなかった場合、教職に留まることは疑問です。その教え子にとっての一年は大切な一年ですから、能力の低い教師に教えられた場合、取り返せないことがあります。

教育改革を否定する団体があれば、それがおかしいのであって民意はそうならない筈です。勿論、「やる気のある教師は教育改革を望んでいると思います」と話してくれました。