活動報告・レポート
2011年12月15日(木)
県議会
県議会

平成23年12月定例会も明日が最終日となりました。意見書案の協議と内容確認、修正案の調整などを行いました。本日の議会運営委員会に提出された意見書案は12件あり、会派としてひとつずつ確認を行いました。また委員会の議事録の発言内容の確認も行い、議論の主旨を明日、委員長から報告をする予定です。

エネルギー問題

わが国はエネルギー需給率が4パーセントと脆弱です。エネルギーリスクを分散させるためにベストミックスの考え方に基づいた政策を採ってきました。主に火力、水力、原子力と再生可能エネルギーを組み合わせた発電方法を取り入れています。火力発電でもベストミックスの考え方が採用され、石油火力、天然ガス火力、石炭火力などがあります。その中でわが国は世界一高い天然ガスを購入しているとも言われています。日本は欧米の1.8倍から4.5倍の取引価格となっています。

インドネシア在住で資源の専門家と話し合う機会を得ました。わが国の天然ガス価格が高い理由は産地からのパイプラインがないため、天然ガスを液化して専用の船で運び込まれます。その輸送費が高いことがあげられます。それは原油価格と連動していることがあります。現在、原油価格が高騰しているため、天然ガス価格も引き上げられているのです。そして事実関係を検証しているものではありませんが、原子力発電の稼動停止によって産出国から、所謂、足元を見られている状態にあることも理由だと聞きました。全国的に電力が不足していることから、日本は天然ガスを購入せざるを得ない状況になっていると相手国が強気になっています。エネルギーに関してわが国は弱い立場にあるのです。しかも円高なのに価格は高騰していますから、もし為替が円安に変化すればエネルギー事情はもっと厳しいものになります。最も欧米の経済は弱気なので円高のまま推移すると見るのが通常ですから心配はいらないような気がしますが、兎に角、エネルギーリスクを分散させる必要があります。

ただ妙案がないのが現実で、原子力が稼動しなければ化石燃料の中では比較的環境に優しい天然ガス火力を主体となるでしょうし、再生可能エネルギーの導入も加速すると考えられます。但し再生可能エネルギーは産業用の電力を賄えるだけの電源ではありませんからどうしても行き詰まります。

産出国側は増える国内需要と輸出して外貨獲得をする両面から産出量を計算しますから、価格はどうしても上昇することになります。中国や韓国でもエネルギー需要が伸びているので、現在、そういった国ともエネルギー競争していますから、下がる気配はありそうもないのです。わが国がエネルギーコストをどこまで負担するのか、または出来るのかを考えた選択の必要に迫られています。

日本人として産出国で仕事をしている人からの情報は新鮮であり、わが国の経済構造やエネルギー構造の脆弱さを思い知ることになりました。安全もそうですが、エネルギーは使えるだけあるのが当然という考え方は改める必要があります。安全には費用がかかること、エネルギーを使うにも費用がかかっていることと経済を支え暮らしを支えるだけのものを国内で賄いきれないことを知るべきです。

現実的に社会で存在しているものを否定することは、現代の文化を後退させることになります。全てのものは存在価値があるからこそ現実社会で存在しているのです。その中の一部を消し去ることは、今の状態の社会が維持できないことになります。欠けたものを代替する方法を見つけてからでないと、存在しているものを消すのは無理があります。社会に存在しているものには意味があること、その存在しているものの意味を補えるだけのものを他から持って来てこそ社会は継続的に発展できるのです。

わが国のエネルギー需給率は4パーセントです。全てのエネルギーの輸入が止まるとは考えられませんが、現在のエネルギー輸入量が低下したり、今以上に更に価格が高騰した場合は、私達は現在使っているだけのエネルギーを活用できないことになります。節電以上の対策を求められることになり、それは想像できないものです。残念なことに現役世代はエネルギーが不足した時代の生活や、世界の中における日本の経済力の弱さを知らないからです。エネルギー問題は、今一度、考え直したい問題です。

懇親会

夕方からはふたつの懇親会に参加。どちらも楽しい一時を過ごせました。後半の部は語り部、ハーモニカ演奏家など多彩な方が参加している会合で、来年は一緒に慰問活動を行うことも話し合いました。