和歌山市を拠点に音楽活動をしている横山恭治さん。今年50歳を迎えて初めてのアルバムを制作しました。曲は全7曲、いずれも心にしみこむ優しさがあります。元々、風の道しるべでデビューしたのが47歳の時ですから、シンガーとしてはかなり遅咲きです。20歳代の頃、シンガーを志したのですが家の事情で残念し、和歌山市内で社会人として働いていました。ところが40歳を過ぎた時に高齢者施設などへの慰問活動で歌ったことが契機となり、多くの人を勇気づけられる音楽の魅力を再認識したことから音楽活動を再開しました。そこで制作したのが風の道しるべというデビュー曲です。音楽活動を再開してから3年間の活動の中からうまれた経験を基にしてアルバム制作へと辿り着いたのです。
アルバム名は「プロローグ伝えたかったこと」で、アルバム発表記念ライブに行ってきました。横山さんこと恭やんを応援する人たちで会場は満員、温かい気持ちになれたライブでした。
中学生の時に作った曲、20歳代の時の曲、生まれた場所を離れる時の気持ちを歌った曲など、全てに物語があります。そんな情景が浮かんで懐かしい気持ちになりました。ゲストで登場した宇佐美さんの話も印象に残りました。宇佐美さんがジャケットのイラストを描き、ポスターの写真も撮影しています。そして曲の一つのコーラスに参加しています。
その曲のレコーディングに際して1,000回以上恭さんの曲を聴き、そして歌詞の舞台になった雑賀崎を訪れてまちの景色を感じてきたのです。ひとつの曲に参加するために要した時間と行動があるのです。人の人生の大切な場面に参加するとは、そんなことなのです。人生を綴った歌詞に参加するためには、恭やんとその時に同じ時間を共有していない宇佐美さんは、そこに少しでも近づくための時間と故郷を訪れることを確保したのです。そして初めてレコーディングに参加できるように気持ちを持っていったのです。こんな素晴らしい皆さんの協力によって完成したのが「プロローグ伝えたかったこと」なのです。
横山恭治さんに「おめでとう」と声を掛けると、「ここまで来るのには様々な出来事がありました。また聞いて下さい」と答えてくれました。このライブの前の11月末、「アルバム制作が終わりました。聴いて欲しいので持っていきます」と連絡をくれていたのですが、ここに来るまでが大変な苦労の連続だったと思います。50歳でアルバムを制作することがどれだけ大変なことか想像できますし、周囲の支援もあってここに至ったことも分かります。そんな関係者の力の結晶がここに詰まっています。
ライブを終えた帰り道、車内でアルバムを聴きながら、何故か優しい気持ちになれました。今日も幸せな気持ちになれた一日でした。
和歌山市内のある校区にある方を訪ねました。この地域は新しい住宅が増えていて、10年後に一学年の生徒数が100人を超えているのは、この地区を含む二か所だけだと伺いました。小学校が地域に存在していることを誇りに思っている気持ちを伝えてくれました。子どもたちが校区内を通学する昔から続いている光景を楽しそうに語ってくれました。
小学校があること、それを誇りにいつまでも続く光景であることを願っている方がここにいました。
そしてもう一つ興味深い話を聞かせてくれました。この方は県道を挟んだ両側に土地を所有しているのですが、県道の右と左の土地評価額が違うことです。最初課税額が違うので間違いだと思って確認したのですが、間違いではなかったのです。その理由は、県道の右側の先に小学校があることでした。小学校に通学する際に県道を横切らなくて良い方の土地評価額が高くなっているのです。調べてみると、当該県道の右側から小学校にかけての地域に新しい住宅が建築されています。逆サイドは空き地が多く、転入者が少ないのです。小学校があり通学時の安全性がより確保されている場所に価値が認められていることが分かります。
地域の中に小学校が溶け込んでいて若い所帯が転入していること。小学校があることがその地域の価値を高めていることを知り得る事例でした。地域のことを知る参考になりました。