活動報告・レポート
2011年11月15日(火)
歴史に学ぶ
昼食

飲食店のお店のI。店主の気持ちの良さから常連さんで賑わっています。カウンターから席が埋まっていることが、それを証明しています。Iさんと共通の友人のTさん話をしていたところ、そこにTさんが入ってきました。二人で顔を見合わせて笑っていると、Tさんが「どうしたの」と不思議そうな顔になりましたが、事情を話すと今度は三人で笑いました。本当に世間は狭いものです。

楽しい皆さんと一緒に昼食をいただきました。店主の人柄から、地域の皆さんが立ち寄り易くこのお店を繁盛店にしているようです。

歴史に学ぶ

社会についていつも学ばせてもらっている方がIさんです。会社勤めを定年で終えた後、現在は後輩に経験を伝える役割を果たしてくれています。定期的な勉強会ではなくて、都合の良い日に会って話を聞かせてくれるのです。

今日も素晴らしい経験話を聞かせてもらいました。Iさんがその会社に入社した時は勉強は不得意でした。学生時代は勉強をしなかったので、成績は下から数える方が早かったのです。そのことを自分から同僚や先輩に話したそうです。その理由は「いい格好をしてもどうせ直ぐにばれてしまうからです。同級生に私のことを聞かれたら、彼は勉強ができなかったという返事があると思うからです。実力以上に見せようと思っても、最初は騙せても最後まで騙しとおすことは無理なのです」ということです。

それだったら社会人としての実力がないことを知ってもらって、周囲から育ててもらう方法を選択したのです。そんな時、Iさんは人生の師と出会います。灘高校から一橋大学に入り、その後、この会社に入社していたTさんです。灘高校時代から東大確実と言われながら、官僚になる気がないので東大に行かないと宣言して一橋大学に入った兵です。

Tさんに社会人として必要な学びを教えてもらいました。経営陣や優れた先輩の言葉の中に中国の古典の言葉が多いことに気づき、中国古典の勉強を始めたのです。言葉の意味だけではなくて、その言葉が発せられた背景やその時代がどんな時代だったのかまで調べました。一つの言葉の深い意味を知るために20冊の本を読破することもあったようです。

そして防備録としてノートに言葉やその意味を書き記しました。定年までの約40年で防備録は20冊にも及びました。その勉強と言葉の蓄積がIさんを優れた社会人へと導いたのです。最近、もう言葉は頭に入っていることからこれまでの防備録を全て処分しました。そして60歳を過ぎてから学んだことを新しいノートに書き始めています。最初の一冊に文字が入りました。何歳になっても勉強を続ける姿勢の大切さを教えてもらっています。

さてIさんからは、郷土を知らなければ郷土を語れないし誇りも持てないと話してくれました。郷土を知らずに誇りを持っていなければ、この国への誇りもなくなることを懸念しています。

例えば和歌山県の誇りの一人、「野村吉三郎を知っていますか」と訪ねられました。即座に誰か分かりませんでした。しかし第二次世界大戦時の駐米大使であることを思い出しました。Iさんは「野村吉三郎が和歌山県出身ですよ」と教えてくれました。日本から米国に対して宣戦布告文書を届けたのが野村吉三郎ですが、その直前に真珠湾攻撃が仕掛けられていたのです。つまり宣戦布告前に真珠枠攻撃を仕掛けたことでわが国が卑怯な国とされ、米国民の反感を買って第二次世界大戦へと向かったのです。

そんな歴史の中に郷土出身の人が登場していることを知り、歴史を学ぶことが意味のあることだと教えてくれました。年号や結果だけを知っているのが知識ではなくて、その時の人物の行動や心情などを把握しておくことが歴史から学ぶことなのです。

「私はこの国が襲われるようなことがあれば楠木正成になります」と明確に話してくれました。この場合、楠木正成が何を考えて行動をしたのかを知らなければ、その意味は分かりません。日本語で会話をするとはこういうことなのです。お互いに常識的なことを知っていることを前提として会話が成り立つのです。外国人に日本の歴史を説明するような会話を日本人同士がしてはいけないのです。それがこの国に生まれた誇りを持っていることに他ならないのです。

最近の若い人とは、日本語で会話をすることが難しくなっていると話してくれました。日本語で会話ができないのであれば、日本を誇りに思うことはないのです。会話ができないとは、日本の歴史を知らない、知らないのでこれから先の針路も分からないし興味がない人が多いことを示しています。亡国の道を走っているのでしょうか。国家の栄華は200年だと聞きました。日本は歴史的な岐路に差しかかっています。

連合大会

和歌山連合の大会が開催されました。経済事情が改善されない中、労働運動のあり方も変化しています。組織構成員が減少傾向にあり、正雇用以外の労働者を組織化しなければ全体の労働条件が向上しない時代になっています。そんな課題と向かい合っている中、連合和歌山の村上会長が退任することになりました。後任には古谷会長が信任されました。新しい体制で活動は続いていきます。

その他
  • Iさんが訪ねてくれました。三点の申し入れがありました。和歌山市内の産業廃棄物処理場の問題に関しての意見を述べてくれました。「飲料水を汚染する可能性のある地域への処分場建設には反対ですが、県内で最終処分場は必要だと思いますから、適地を見つけて欲しい」という意見です。二点目は「和歌山県内で新エネルギー政策が進んでいないように思う。もっと進めなければ環境先進県の名前が泣きます」という意見です。三点目は「全国的にブームとなっているパークゴルフ場を和歌山市内に建設して欲しい」というものでした。それぞれ依頼の理由を説明してもらい考え方を整理しました。
  • Hさんとの懇談。Hさんは毎週、白浜町まで釣りに出掛けています。和歌山市から白浜町まで車で1時間の距離ですから、南の地域で釣りを楽しめる県土に誇りを持っています。「1時間で雄大な太平洋を見ながら釣りが出来る県は和歌山県です」と和歌山県に誇りを持っているのです。「多くの県外の人を白浜町まで釣りに連れて行っています」と趣味を通じて和歌山県の誇りを伝えてくれています。
  • Kさんとの懇談。Kさんは昨日、昔助けたのに裏切られた人が癌の手術をして闘っていることを知りました。今月末に退院するのですが借金から住む家がなくなり、退院しても戻るところがないことも知りました。お金を貸したのに踏み倒された過去がありますが、ここでその人の人生の最後に接点があったのだから、所有しているマンションの一部屋を提供することを決意しました。罪を憎んで人を許す行為です。Kさんの優しさと人徳を感じました。