東南海・南海地震対策等特別委員会が開催されました。今回は台風12号被害に対応する復興に向けた対策についての議論を交わしました。平成23年12月県議会定例会で補正予算が提案される予定ですが、台風12号被害への対応に関して特別委員会として本会議の前に対応しておきたいことから開催しました。
議題は「和歌山県復旧・復興アクションプログラム」の実施内容に関してのものでした。台風12号被害に関しては、応急対応期から復旧・復興期に移っていることから災害対策本部とは別に復旧・復興本部を設置して対応をしています。その中で平成24年度は一定の区切りをつける対策を検討しています。河川や道路は本格的復旧を95パーセント完成させること、文化財や教育関連施設の完全復旧を目指すことなどの具体的目標を掲げています。
但し、大規模な被災箇所に関しては、復興対策の完成までに3年から5年の工期が必要になります。それは田辺市本宮町を中心に実施する国の直轄治山事業と那智川における同じく国の直轄砂防事業などが該当します。
平成23年12月議会でのくらしの再建施策として住宅の再建支援制度案があります。台風12号の影響によって全壊した家屋を建て直す場合、国からの補助金は300万円が支給されますが、和歌山県からは150万円の上乗せ施策を実行しようとしています。最大450万円の補助金が適用されることになりますが、ここで問題があります。
和歌山県が上乗せ補助する150万円は、住宅建設費×1/3―300万円の式で算定されます。仮に数字を当てはめると、建設費が1,000万円だとすると1000万円×1/3で333万円。続けて計算すると333万円―300万円で33万円となります。この場合、和歌山県からの補助金は33万円となるのです。つまり最大150万円の補助金が受けられますが建設費が1,000万円の場合は33万円の補助金が受けられることになります。 では住宅建設費が900万円の場合を計算します。900万円×1./3=300万円となります。国の補助金が300万円ですから300万円―300万円で0円となります。この場合、和歌山県からの補助金は0円となります。和歌山県して台風12号被害に伴う補助制度を設定しようとしているのに住宅建設費が900万円以下の場合は補助金が受けられないのです。
行政の施策としての公平性が保たれないので、制度設計としては問題があります。この点を特別委員会として指摘を行いました。
住宅が全壊した人に対して一律150万円を見舞金として支給することは公平性の観点から問題ですが、建設費900万円以下の人への補助金が0円なのも問題です。
そこで特別委員会として知事に対して制度設計の改善について要望を行いました。委員長以下と一緒に知事と交渉を行い、この制度の改善すべき点について協議した結果、制度設計の見直しをすることで意見が一致しました。公平性と被災者支援のために全壊住宅を再建するに際して、和歌山県からの補助金が0円になる人をなくす方向で話はまとまりました。
参考までに全壊住宅は223戸、大規模半壊住宅が272戸あり、補助金適用の対象となる家屋は合計495戸となります。この対象者について和歌山県から補助金を出動させたとしても補正予算案として過大にならないと見込み、対応してくれることになりました。
より良い制度設計を作るために知事と県議会が議論して改善することができました。県議会としての役割を果たしていると実感しています。
午後からメディア・ユニバーサル・デザイン協会和歌山市支部が主催する説明会に参加しました。誰にでも優しい印刷物を作成するために、メディア・ユニバーサル・デザインの思想を取り入れてもらうために関係者に集まってもらって説明会を開催したものです。
冒頭の私からの挨拶の主旨は以下の通りです。
和歌山県とメディア・ユニバーサル・デザイン協会和歌山支部が協働して、印刷物などにメディア・ユニバーサル・デザインの考え方を取り入れたものにしようと活動を開始しました。本年度の下期に広報活動を行い、全ての印刷物、媒体にこの精神を取り入れてもらえるような活動を行う予定です。是非とも皆さんからの協力をお願いいたします。
さてメディア・ユニバーサル・デザインはバリアフリーを更に発展させた考え方です。バリアフリーは困っている人を助けるための取り組みをすることなのに対して、メディア・ユニバーサル・デザインは困っている人が困らないようにする取り組みです。具体的な取り組み方は後ほど説明がありますが、その精神はこんなものだと私は認識しています。
満員電車の車両の中の出来事です。満員電車が駅に止まりました。最近の人はマナーが良くなり、高齢者の人が乗車してくると席を譲ってくれるようになっています。とても素晴らしい行為で、高齢者の方は席を譲ってくれた人に対して「ありがとう」の言葉を掛けてくれます。
メディア・ユニバーサル・デザインの思想は更に先を行くものだと認識しています。満員電車が駅に止まりました。駅から高齢者が乗車しようとしました。それに気づいた乗客は、高齢者が乗ってきた途端に席を空けるのです。状況としては、高齢者人が空いた席に座ることになります。高齢者の人は席を譲ってくれたことを知らないで座っているのです。ですから「ありがとう」の言葉が交わされることはありません。しかし周囲の人は、高齢者に席を譲った人の行為に気づいているのです。このように高齢者本人が気づかない内に高齢者の支援をする行為がメディア・ユニバーサル・デザインの考え方なのです。気づく人がいない位にごく自然に誰にでも優しい環境を作れている。それがメディア・ユニバーサル・デザインの思想なのです。「ありがとう」の言葉はありませんが、その精神の中に「ありがとう」という感謝の気持ちが込められています。このような自然な譲り合う精神と行為が、これからの社会に必要なものなのです。
是非とも関係者の皆様におかれましては、印刷物、看板、メディア広告においてメディア・ユニバーサル・デザインの精神を取り入れて形にして欲しいと期待しています。
以上の挨拶をさせていたでき説明会に参加いたしました。
- 夕方からは懇親会に参加しました。約15名の会合でしたが、この時期にこのメンバーが集まれることに意味があることだと話がありました。同じメンバーで集まれる機会は、今しかないかも知れません。ですから今集まれる人を大切にして懇親を深めたいものです。
巡りあえたメンバーと仕事が出来ること、話し合える機会を大切にしたいと考えています。 - 盲目のピアニストのコンサートに関して打合せを行いました。今月20日に和歌山市民会館でコンサートが開かれますが、子どもで盲目のピアニストが和歌山市まで来てくれます。会場に行く予定にしていますが、より多くの人にも聴いてもらいたいので主催者と応援してくれる人に会ってもらいました。多くの人の来場を待っています。