市内のある会社で、毎日清掃の仕事をしてくれている女性がいます。笑顔で接してくれるので、会えると朝から気分が良くなります。今日はその会社の玄関先で通行している人と話をしていました。そこに通りかかったところ、通行人から「片桐さん」と声を掛けてくれました。誰かと思って顔を見たらこの会社のOBさんでした。健康のため散歩をしていた会社の玄関前を通りかかったところ、玄関前の花壇に水を散水していたこの女性から挨拶をしてくれたので、立ち止まって話をしていた場面だったのです。
「定年になった後、会社に入ることがなくなりました」とOBさんは話してくれたのですが、この女性は忘れないで話し掛けてくれているのです。現役社員は転勤で移り変わりますから、定年退職した人を知っている人は少なくなっていきます。やがて知らない人が過半数を上回ると、OBさんは元の自分のいた会社に入り難くなります。そうして疎遠になっていくのですが、そのつなぎをしてくれていたのがこの女性だったのです。本当に感謝しています。
人と人をつなぐことは大事なことですが、つい人間関係よりも仕事を優先させてしまいます。一言話し掛けることでまた次はあるのですが、それがないと疎遠になっていきます。OBさんが務めていた会社の玄関前を散歩していても、誰も話しかけてくれなければ寂しい思いをします。ところが知った人が声を掛けてくれると嬉しいものです。いつまでも自分の会社を大切に思ってくれます。社員ではない清掃の女性が挨拶によって、OBさん達との絆を保ってくれているのです。
一人の行為が絆を保つ働きをしてくれています。それも誰にでもできる挨拶によってです。地域の中にあって会社の信頼を保ち続ける役割を清掃の女性が果たしてくれているのです。この場面に遭遇して良かったと思っています。人として大切なことを教えてくれました。挨拶は人間関係の基本であり潤滑油なのです。
11月1日に和歌山市で中核市サミットが開催されます。中核市の市長も和歌山市に来てくれるのですが、その時に紀州語り部クラブの方が和歌山市の見所を案内してくれる予定です。観光都市、和歌山市の良さを伝えたいと、今から準備を行ってくれています。バスに乗車してもらって和歌山市を案内するのですが、和歌山の偉人を紹介するために資料を整理しています。和歌山市と松下幸之助のエピソードや濱口梧陵や陸奥宗光などを紹介してくれます。中でも濱口梧陵の功績は日本文教出版社の小学社会3・4年下で大きくページを割いて掲載されているので、是非とも紹介したいと張り切ってくれています。この教科書は和歌山県では御坊市を除く全ての市町村で採択されていて、西日本を中心に採択されている市町村が多くあります。小学校3・4年生は和歌山県の偉人のことを習ってくれることになります。二学期で学習する予定ですから、丁度習っているところかも知れません。和歌山市の歴史と共に偉人の功績を中核市の市長に知ってもらえる機会があり、その機会を活かしたいと考えて計画を練ってくれているのが紀州語り部の会です。こんな地道な取り組みが和歌山市を支えてくれています。
雑誌やメディア広告の取り扱い量が落ちているようです。県内企業の業績が厳しいことから広告宣伝費を削っていることが原因だと思います。一企業では対応しきれない状況にあるようで、何とか県内経済が上向くように対応したいと考えていますが、即効性の処方箋はないのが辛いところです。何度か触れていますが、経済対策と金融対策は国策であり地方自治体で賄いきれるものではありません。国と連携を図り和歌山県経済を少しでも活性化させる政策に反映させる取り組みと、企業誘致活動によって早期に効果が出るようにと活動していますが、それを上回る速さで経済は沈下していることを感じる出来事です。
勿論、東北の震災や台風12号被害の影響もあり経済が停滞に拍車が掛かっているとも思いますが、早期対策の必要性を感じています。間もなく12月議会です。台風12号の補正予算が予定されていますし、平成24年度当初予算に向けての議論もあると思います。皆さんの意見を伺いながら対応する予定です。