活動報告・レポート
2011年10月5日(水)
文教委員会
文教委員会

文教委員会の県内視察がありました。訪問先は県立那賀高校、元県議会議事堂の一条閣、県立和歌山北高校、県立和歌山西高校です。

那賀高校は普通科の他に国際科が設置されていて、国際理解教育に力を注いでいます。国際化に対応するために平成3年に国際科が開設されています。ただ平成22年度までは定員は2クラスでしたが、平成23年度の募集からは定員が1クラスに減少しています。これは国際科の人気が落ちていることも原因のようです。少し前までは留学の希望者が多かったのですが、最近の学生は外国に出たがらないこと、特に留学を希望する生徒が少ないため受験希望者が少なくなっている現状があります。国際科があるだけにもったいない現状があります。県内で国際科がある県立高校は、那賀高校、星林高校、串本高校の三校ですが、串本高校の国際化は希望者が少ないため平成24年度の募集から廃止となります。従って県内で二校だけとなりますから、履修科目の充実や外国語大学への進学率を高めるなどの方策を講じて欲しいところです。

私からは、国際科から国公立大学への進学者がゼロであることが問題であることを質問しました。中学生が進路を決める際に参考にするのが大学の進学状況です。普通科からは国公立大学への進学者がいるのに国際科からの国公立大学進学者はゼロだった場合、どうしても受験を敬遠されます。進学率を高める教育だけを求めるのは違いますが、生徒の希望を聞いて、その希望を適えてあげられる教育にして欲しいものです。

また那賀高校普通科は進学先として人気があります。人気校ですから国際科に対しても普通科と同様の教育を求めて欲しいと要望しました。

元県議会議事堂の一条閣

続いて根来寺境内にある元県議会議事堂の一条閣を視察しました。この旧県議会議事堂は明治31年に完成し昭和16年まで県議会議事堂として活用されていた建築物です。現県庁の県議会場が完成したことによって農協中央会に委譲し、その後根来寺に譲渡されて現在に至っています。残存している県議会議事堂としては全国で二番目に古いもので、和風の建築物としては全国で最も古い建築物となっています。この貴重な建物を後世に残す取り組みがあります。平成15年度から事業の枠組みと保存整備計画を県が行い、保存に対する皆さんからの募金を募りました。現時点で修復保存緑のサポーター募金は50,064,403円が集まっています。

県の事業計画としては、平成27年度に完成させたいとしています。特に同年は和歌山県国体が開催されるため、開会までに移転と修復が間に合うように考えています。総工事費は見込みの段階ですが約10億円です。

元県議会議事堂の一条閣

平成23年度は基本設計と解体実施設計を行い、平成24年度は造成工事、解体工事、組み立て実施設計、組み立て工事を予定しています。そして文化財としての価値が損なわれないように修理を行い、完成後は国の重要文化財指定を目指すことにしています。

今回は特別に元県議会議事堂の一条閣の内部に入れてもらいました。老朽化しているため危険箇所もあり通常は入れないのですが、これから予算化と移転計画があるため、実際を知るために入りました。思っていたよりも議場は広くて傍聴席もありました。当時は議会の他にも講演会場、展覧会場など多目的に使用されていたことから、広い議場になっていたようです。特に明治44年8月の夏目漱石の「現代日本の開化」の講演会が開かれたことが知られています。

最後は北高校と西高校の視察です。両校は平成24年度から統合されて和歌山北高校となります。その統合の概要について確認しました。

北高校の北校舎の募集定員は6クラス、西校舎の普通科が2クラス、北高校の体育科改めスポーツ健康科学科が2クラスとなります。但しスポーツ健康科学科は平成24年度と平成25年度は北校舎で学習することになります。これは現在の体育科が北校舎にあることから、平成24年度の新2年生と新3年生と一緒の校舎で授業を行う方が効率的だからです。そのため全面移転は平成26年度からとなります。

そして西高校は在校生が残る平成25年度末まで存続することになります。

私から数点の質問を行いました。西校舎のクラスは2クラスとなりますが、現行の4クラスから一気に半減させることで受験希望者を締め出してしまうことにならないか。4クラスの定員と2クラスの定員だと入学者数は倍違うため、受験を見直しする生徒も出てくることになります。公立高校は全ての高校進学希望者の進学意欲を適える場所です。レベルはともかく、勉強意欲のある生徒を全て受け入れる環境を整えることがその役割です。従って西校舎を希望する生徒が不合格にならないような受け入れ態勢を取って欲しいと思います。

これに対して教育委員会は、西校舎だけが定員を減少されることではなく、中学生の数は減少していることから、締め出されることにはならないと回答がありました。

私からは、進路指導に際しては生徒の進路希望を良く聞いて、入学可能な適切な進路決定をして欲しいこと。従来の西高校4だったら行けたのに北高校の西校舎になったことから行けないような事態にならないように配慮して欲しいことを要望しました。

続いて北高校のクラブ活動の練習場所、練習施設について質問しました。北高校の体育系のクラブ活動は全国的レベルにあり県内の強豪校です。そのため環境を整備して欲しいところですが、北高校の体育館の老朽化と運動場の狭隘と比較して、西高校の体育館と運動場は、とても広くて整備されています。上手く活用を図ることで、クラブ活動の環境が格段良くなると思いますが、どのような配置にしていますか。

教育委員会からは、クラブ活動練習場所の適正配置を検討中であり、現段階では答えられないので、両校先生、関係者と協議を進めて決定したいとの回答がありました。

続いて中学校のPTAには入試要綱を説明しているのかの質問に対して、今月中旬に入試説明会を開催すると回答がありました。統合後初めての入試で混乱するため、親切丁寧な説明をして欲しいと要望しました。

北高校と西高校には素晴らしい先生がいますし、良い校長先生がいます。統合後は両校の良いところを前面に出して、誇れる高校として出発して欲しいと思います。