活動報告・レポート
2011年9月27日(火)
特別委員会
本会議

明日の採決を控えた前日の議会が開催されました。教育委員会委員の人事案件の提案があり、また意見書の提出もありました。また本会議の合間に議会運営委員会も開催され、意見書の調整などが図られました。昼間は会派会合を行い、今回提出される意見書に関する意見交換、背景の調査などを行いました。

特別委員会
特別委員会

東南海・南海地震等対策特別委員会が開催されました。本日の議題は台風12号による被害と対応に関してのものに限定して集中的に議論を重ねました。特別委員会とはある県政の大きな課題を審議するために設けられるもので、本特別委員会は災害対策に関して集中的に審議するためのものです。

紀伊半島を襲った台風12号は総降水量1,000ミリを超え、一部の地域では2,000ミリを超えるところもありました。現時点で死者と行方不明者を合わせて55人となっています。現在も行方不明者の捜索を行っていますし、全力で復旧作業に当たっています。道路は180箇所で通行止めとなっていましたが、9月26日現在、141箇所の通行止めが解除され、車両の通行が可能になっています。

今後は補正予算を計上して復旧作業に入りますが、不足しているのが人手です。必要な復旧作業に関する査定を行った後、改良復旧工事に着手しますが、技術、事務とも人が不足する見込みです。現在ボランティアの募集を行っているところですが、少しでも災害復旧の役割を担ってくれることが最も希望するところです。

また関西電力とNTTからの特別委員会参加があり、インフラ設備の復旧状況の報告をしていただきました。停電は後10軒となり完全復旧までもう少しのところまで来ています。電話回線にしても同様で、JR西日本の復旧を含め、早急な災害復旧でこの地域の安全と安心を支えてくれています。

また土砂ダムに関しては、国土交通省が土砂災害防止法に基づいて緊急調査を行っています。詳細な結果は出ていませんが、航空写真などのデータからすると土砂ダムができてから現時点では情況は拡大していないことが分かりました。ただ地上からの土砂災害の現状調査は苦労していて、航空写真、国土地理院、近畿地方整備局のヘリコプターからの写真で状況を判読しています。その中で最も危険性が高いのは田辺市熊野地域の土砂ダムで、台風15号の降雨によって越流したものの決壊することなく、流域の皆さんが避難していたこともあり二次災害の発生はありませんでした。緊急対策工事として進入路の整備に引き続いてポンプ、配管工事を進め、仮排水路工事に着手することになっています。土砂ダムに関しての安全宣言までは相当の時間を必要とするものであり、復興、再建までには期間が掛かる見込みです。

台風12号への対応と早期復旧は和歌山県として最大の課題で、何よりも優先させた取り組みを行っています。

なお、今回の補正予算と復旧作業に関して、和歌山県から政府に対する緊急要望は次の通りです。

  1. 一刻も早い災害復旧の実現に向けた支援
    • 公共土木施設等の早期復旧。早期に災害復旧事業に着手するため、公共土木施設、農地、農林水産業施設、共同利用施設等に係る災害復旧事業の早期採択を行うとともに、財源措置も含めて特段の配慮を行うこと。
    • 被災者の生活再建に向けた総合的支援。住宅や仕事など生活の基盤を失った方々をはじめ、全ての被災者が元の生活環境を取り戻すために必要となる各種の支援制度について、十分な財政措置を行うとともに迅速かつ柔軟な運用を行うこと。
    • 地域産業の復旧・復興支援。台風による直接被害や道路・交通の遮断による経済活動の停滞などの間接被害により、農林水産業や商工業、観光業など地域経済を支える産業が危機的な状況となるため、経営の安定化、再建のために必要な支援を、これまでの枠組みにとらわれず大胆に行うこと。
    • 地方財政措置等にかかる配慮。県及び被災市町村において、災害復旧等の経費が多額にのぼることから、普通交付税の繰上交付を行うとともに、特別交付税の配分に当たっては、災害に伴う特別の財政需要等について特段の配慮を行うこと。
  2. あらゆる災害に強い県土づくりの推進
    • 大規模災害に備えた幹線道路ネットワークの整備。今回の台風では、紀伊半島の海岸線を通る唯一の幹線道路である国道42 号や、内陸部の国道168号は、洪水や土砂災害、越波等により通行止めとなり、被災地への迅速な救助・救援活動にも支障を来しました。このため、豪雨や大規模地震、津波被害に備えて近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道、及び紀伊半島を縦貫する五條新宮道路からなる紀伊半島アンカールートの早期整備を図ること。
    • 直轄河川・ダム事業の推進。豪雨等による河川の氾濫や堤防の決壊から住民を守るため、国直轄河川事業等を早期に実施するとともに、補助ダム事業を促進すること。
    • 河川・土砂災害防止対策の促進。豪雨等による河川の氾濫や土砂災害から住民を守るため、河川改修や砂防事業を早期に実施できるよう特段の配慮を行うこと。
県立医大の課題

和歌山県の発癌率は全国でも高く癌対策は大きな課題です。ところが原因が分からないのです。定期健康診断の受診率が低いと言われていますが、実際は全国平均よりも少し高いのです。また喫煙率も高いことはなく、何故多いのか分からないのが本当のところです。癌発生の高さを検証するためには正確に癌発生の統計を取る作業が必要ですが、それをする前に現実に発生している癌対策が必要で、そのための取り組みを行っています。平成25年度には地域医療支援センターを設立します。また将来的には和歌山県がんセンターの早期設立を目指していますが、設立するのであれば最先端の設備を導入して欲しいところです。重粒子センターは最先端医療で、癌対策として何としても欲しい施設です。ただ予算が約120億円必要なので、和歌山県だけの予算で担うのは困難な状況です。どのようにして予算化を図るのかが大きな課題となります。

いずれにしても板倉学長が和歌山県がんセンターの設立に強い意欲を示してくれていますが、何としても実現させたい施策です。学長自らが議会に報告にきてくれたことに感謝しています。

議会報告会
議会報告会

午後7時から9時まで議会報告会を行いました。集まっていただいた皆さんに感謝しています。今日の議題は台風12号の状況と取り組みについての説明を行い、私達が身を守るために必要な行動、そして支援について問題提起を行いました。説明を聞いてもらって、その上で自分は何が出来るのかを考えてもらいました。ボランティアで現地に入ること、現地入りした内容を皆さんに伝えて支援を呼び掛けることなどができることです。

補正予算が承認された後は復旧工事に着手できますから、公共工事として現地の復旧は進みます。しかし現地ではボランティアが不足しているので、毎日運行しているボランティアバスを活用して、一人でも多くの方に現地入りして欲しいと依頼しました。

実際に和歌山県内で起きている災害であり必要な復旧支援ですから、他人事ではないことを知ってもらいました。土砂ダムの状況や熊野川の水位の高さなどを紹介したところ、この災害が想像を超えたものであることを分かってもらえました。災害支援には伝える人が必要です。そして共感してくれる人も必要です。そこから行動を起こしてくれる人も必要なのです。

既に日高川町にボランティアでは入ってくれた人もいて、今起きている危機について話し合いは広がりました。災害復旧の素人が現地入りしてどこまで役に立てるか分かりませんが、行動を起こすことに価値があります。生命の大切さ、周囲との協働など学べることがありますから、ボランティアバスの活用や呼び掛けについて協力をお願いしました。

意見がありました。ボランティアバスが毎日運行していることを知っている人は少数でした。そこでバスを運行させている広報と、テレビ和歌山での前日の参加者の実績報告を放送して欲しいという意見です。前日のボランティアバスに参加して人数を放送してくれると、多ければ参加しようとする気になりますし、少なければ自分を含めて支援活動に参加しようと思ってくれる人もいるからです。

現状は休日の日の参加者は多くて、平日の参加者は少なくなっています。

もうひとつの意見は、災害支援を初めとする和歌山県の目標が分からないので示して欲しいというものです。私達がやれること、やるべきことは何なのか、指針を示してくれると団結できるのですが、災害支援で何ができるかも分からない人が多いので、この手伝いをして下さいと示して欲しいという意見でした。

多くの県民の方は、自分の生活のこと、仕事で利益を生み出すことを考えているばかりで、和歌山県の目標を共有している人や地域のことを考えている人は少数派であるという意見もありました。

改めて問われると、私達が参加できる和歌山県がひとつになれる目標設定は難しいテーマです。参加してくれた皆さんから出された意見は、養殖マグロを全国ブランドにすることを目指すこと。新宮市の沖にあるメタンハイドレードをエネルギー資源として活用を図ること。新エネルギーで全国一を目指すことなどの和歌山県が誇りに感じられるような県の目標を私達に与えて欲しいというものがありました。

次回の議会報告会では、和歌山県の目標となるものを参加者で話し合い、見つけることにしました。

その他
  • 紀の川市の某地点にある、不法に投棄された産業廃棄物の処理に関して協議しました。
    訴訟、行政指導を含めての対応策について話し合うことにしています。
  • 和歌山県全体のスポーツによる健康づくりに関して話し合いました。国体を目指す取り組みと県民スポーツの振興の両方の取り組みが大切です。