県議会文教委員会が開催されました。補正予算などに関しての質疑を行いました。要約したものは次の通りです。
Q.台風12号で休校を余儀なくされた学校がありましたが、懸命の復旧支援によって後一校だけになりましたこと意を表します。市野々小学校が開校できていませんが、来週9月26日の月曜日から授業を開始することは嬉しいことです。そこで生徒達への授業時間の確保、学習機会の提供についてはどう対応するのですか。授業の遅れを取り戻せるように授業時間を確保して欲しいと思います。
A.学校行事の簡素化、長期休暇の短縮化、一日当たりの補習時間を確保することなどを検討しています。
Q. 長期休暇の短縮化とは冬休みにも授業をするということで良いですね。
A.その通りです。冬休みを短縮して学習を行います。
Q.再開は勝浦小学校の多目的教室を活用すると思いますが、通学経路、学習環境の確保は大丈夫ですか。
A.通学に関しては新宮高校の野球部のバスを運行するため、安全の確保も含めて大丈夫です。また多目的教室は十分なスペースが確保できるので、授業に支障はないと考えています。
Q. 今回、補正予算として計上されているスクールカウンセラーの配置に関してです。スクールカウンセラーは何人程度、どれだけの期間配置されるのでしょうか。
A.全部で16名を配置します。期間は30日間です。
Q.30日間だけですか。東北の震災で被害を受けた岩手県から和歌山県にもカウンセラーの派遣依頼があった思いまずか、半年が経過しても心のケアが必要な状態にあります。事情は違うにしても、同じように被災された子ども達の心の傷は大きいと思います。30日のカウンセリングだけでは足りないと思いますが、この点大丈夫でしょうか。
A.30日間は実情に応じて対応することにしています。連続して30日ケアするのではなくて、期間をあけて、または学校の状況に応じて派遣先や日程を考えることにしています。
Q.心の傷の問題ですから、十分に対応して下さい。続いて高校統合の問題です。北高校と西高校の統合により現在の体育科が西校舎に移ります。伝統のある体育科が移転することでクラブ活動などに影響を与えると思いますが、良い影響を与えるようにして欲しいと思います。この機会に老朽化した体育施設を新しい設備に変更し、より全国と戦える体育環境を整えて欲しいと思いますが、如何でしょうか。
A.統合校は両校が培ってきた教育を大切にしながら学業とスポーツの両面で特徴のある学校を目指します。統合校の施設設備の点では、授業やクラブ活動において北校舎と西校舎の両方のグラウンドと体育館の有効活用を進めると共に、今後、一層の競技力向上を図れるよう、本県の高校スポーツの中心校として、体育施設の充実に向けた計画を立てたいと考えています。また寄宿舎の設置やトレーニング設備の充実、授業で取り組むスポーツ科学や健康に関する分野の機器の充実についても図っていく考えです。
Q.先日北高校と西高校を視察してきました。体育館や設備が老朽化していて、スポーツ環境は良いとはいえないと感じました。今回の統合によって体育設備が新たに設けられることは歓迎すべきことで、学校もOBも期待していると思います。
特に現在25メートルのプールしかありませんので、50メートルプール、冬場も練習できる環境のものの設置。陸上競技用のトラックの整備。これは一周の距離の確保、公式競技と同じ素材を使ったトラックの設置などを整備して欲しいと思います。財政との調整が必要だと思いますが、全国を相手に戦うスポーツ校として相応しい設備と機器の導入を期待しています。
続いて、現在、公立中学校の卒業式の翌日が高校入試の日になっているようです。この順序で日程が組まれると、生徒は大切な節目のセレモニーである卒業式を楽しめないと聞きます。どうしても卒業式よりも翌日の受検に心が奪われ、中学校最後の思い出を心から作れないというものです。学校の方針や生徒、保護者の意見を確認する必要がありますが、高校受験を終えてから卒業式を迎えられるような日程にはできないものでしょうか。
生徒や保護者からも要望があり、教育委員会にも意見があがっていると思いますので、お答え下さい。
A.高校入試の日程は県教育委員会が設定していますし、中学校の卒業式の日程は市町村教育委員会が決定しています。つまり卒業式は市町村教育委員会の判断であるため、県から指導は難しいところで、日程は各市町村教育委員会に委ねられることになっています。
ただ、そのような意見があると言うことは伝えたいと思いますし、日程の問題に関しても連絡を取りたいと考えています。
Q.一生の思い出になる中学校の卒業式ですから、楽しめる環境を提供して欲しいと思います。各中学校の意見、生徒や保護者の意見を個別に聞いてもらって、現場の意見によっては高校入試が先になっても良いと思います。関係者の要望に応えられるような日程を調整して欲しいと要望しておきます。
最後に、小学校への英語教育についてです。和歌山市内では小学校の教師に対して、英語教育の実践方法を指導する取り組みが平成21年度から3年間行われています。本年度が最終年となりますが、成果が現れていることや指導ノウハウが蓄積されているのに継続できないことは勿体ないと思います。形を変えて継続させる方法か、成果物としての教材や指導要綱を平成24年度つなげる方法は考えられませんか。
A.県では英語研究講座や、まなびの丘での研修など、小学校の英語教育に対応できるように取り組んでいます。和歌山市の教師に対する英語教育の取り組みに関しても成果があがっていることは連絡を受けて承知しています。
この取り組みの成果を、来年度の授業において何かの形で取り入れられるように検討したいと考えています。
Q.平成21年度から3年間のこの取り組みは厚生労働省の緊急経済対策の予算を活用して実施しているものです。本来であれば緊急雇用対策でするべきものではなくて、教育予算として確保して実施したいものでした。平成24年度のこの事業の継続は困難だと聞いていますが、予算が無いので取り止めという問題ではありません。
国の予算がなければ県の単独予算で継続する覚悟が欲しいところです。教育長は昨日の本会議では、世界に通用する子ども達を輩出するという思いを述べてくれていますし、今日も教育の満足度日本一を目指すと、高い理想を掲げた教育を目指しています。理念は素晴らしいのですが、それを実践するためには理想を追求するための教育予算も必要です。国がやらないのであれば県が取り組みを継続し、和歌山県の小学校の英語教育は日本一を目指して欲しいと強く期待しています。
この小学校の英語教育の成果物に関しては、全国レベルのメーカーが教材として取り扱いたいという動きもあることを紹介して継続について強く要望しておきます。
台風12号被害に対する義捐金を和歌山県知事に届けました。義捐金を届けたのは関西電力労働組合からで、同組合本部の岸本委員長が和歌山県庁まで来てくれました。本宮町には関西電力労働組合の森も設置しているように、和歌山県とは深い関わりがあります。また先週末にはボランティアのため現地入りしていますし、今後ともボランティアを行う予定もあり、物心とも復旧支援をする心意気を見せてくれました。
県土を守る県庁とインフラを守る関西電力労働組合が協力して、台風12号復旧への対応を確認しあって会合を終えました。
- 紀の川市貴志川町にある開発用地に産業廃棄物が投入されている問題があることを聞きました。現場の状況と過去からの経緯を確認して、今後の対応について話し合いました。産業廃棄物だと認識しながら投入していた事業者の問題、当時、適切な指導があつたか否かの問題、では積み上げられた産業廃棄物を誰が責任を持って処分するのかの問題などが課題として現実に存在します。事実関係を確認して対応したいと考えています。
- 台風12号被害による和歌山市の海岸の清掃ボランティアに関して打合せを行いました。県の大部分は紀南地域の被害対応に追われているため、どうしてもそれ以外の地域の流木の除去などが遅れています。清掃ボランティアを募集して協力を呼びかけたいので、その対応について協議しました。