活動報告・レポート
2011年9月19日(月)
ランニングクリニック

和歌山県立医科大学みらい医療推進センターげんき開発研究所、和歌山High Performance Sports研究会が主催する、ランニングクリニックに参加してきました。県民スポーツの推進、生涯健康でいるためのスポーツの効用と親しみを目的としたマラソンのトレーニング方法の指導をしてもらいました。第一回目の開催だったのですが、「素晴らしい企画と内容」でした。

ランニングクリニック ランニングクリニック

指導は安田享平コーチ他の皆さんで、安田さんは日本体育協会公認コーチであり、日本陸連公認コーチでもあります。千葉県から和歌山県にこの指導のために来てくれました。

他のコーチ陣も素晴らしく、安田コーチと一緒の千葉チームで青東駅伝を走ったチームメンバーなど、マラソンを知り尽くしたコーチからの指導をしてもらいました。 実践に入る前、最初にランニングとうまくつきあう7つの法則を教えてもらいました。

一つ。「はじめた宣言」をすることです。自分で決めたことに対して、自分に向かって、家族に向かって、そして友人に向かって、今日からランニング、またマラソンを始めますということを高らかに宣言することがきっかけとして大切です。一人で夜にこっそりとランニングを開始しても、三日で終わってしまいます。誰も注目していないことを続けることは困難です。まして宣言できない自分が始めることは「途中で止めてもいい」という思いがありますから、続けられないことが多いのです。やると決めたら周囲に宣言すること、それが始めるきっかけになりますし、続けられる秘訣です。

そしてランニングウエアは派手に、走る場所は街中がお勧めです。地味に、ひっそりとランニングをするよりも、派手に注目される環境を設定することで続けられます。今ではランニングは市民権を得ています。街中をランニングしていても、変わった奴だとは思われないばかりか、格好良いと思われる時代です。見掛けた人に対して「私もランニングを始めなければ」と思わせる動機付けになるかも知れないのでする自分の行いが誰かに影響を与えることは、自分が知らなくても素晴らしい行為なのです。「今日からはじめる宣言」をすることから始まります。

二つ。腹八分目で気持ちをコントロールすること。はじめる宣言をした直後は、気持ちは高まっています。「よし、今日から毎日1時間走るぞ」、「仕事を終えて家に帰ってから毎日走ろう」と思うものです。初日は気持ちも高まっていますから、1時間走れたとします。しかし二日目、三日目となるにつれて、走ることがしんどくなり、当初の気持ちの高まりはなくなっていきます。気持ちはいきなりトップに入り、その直後から高まりはダウンしていきます。それに対して、最初から身体はついていかないのです。初日や二日目はしんどいばかりで、楽しめる余裕はありませんし、何よりも身体が走る身体になっていないので、気持ちが高まっていても、身体能力は低いままなのです。身体が鍛えられ高まっていくのは数ヶ月後ですから、身体能力がついてくるまでは気持ちの高まりを維持することが必要なのです。身体は簡単にトレーニング内容を覚えてくれませんし、筋肉は2ヶ月から3ヶ月経つまで変わらないのです。

ですから気持ちを身体に合わせることが大切で、最初からハイの状態に持っていくのではなくて、最初は約80パーセントの気持ちの高まりにしておくのです。そうするとトレーニングも1時間ではなくて20分からスタートさせようと思います。20分から、ゆっくりとした速度で練習を始め、徐々に慣れていくようにしたいものです。

三つ。規則正しくが続く秘訣です。仕事をしている人は夕方の時間は不規則になります。今日は同僚との飲み会、明日は歓迎会、明後日は趣味の会合、その次は残業が予定されているなど、自分で決めたことでも行えないことがあります。これらは公式な予定ですが、ランニングの練習ができなかったことは事実として残ります。「公式な用事があったので仕方ない」と自分で言い訳をして納得することになります。その結果、次々に公式の予定が入り、練習が続けられなくなるのです。

やっていないという事実は事実として捉え、ではどうしたら練習時間を確保できるかを考える必要があります。解決策は、朝早く起きて朝に練習をすることです。30分のランニングであれば、30分早く起きたら良いのです。

そして四つ目につながります。朝起きる時間を決めて朝に走るのです。朝6時に起床すると決めたら、寝る時間をそれに合わせて例えば30分早く就寝するような生活に変更します。それが続く秘訣です。朝から走ると、それだけで今日一日、走ることを達成したいという満足感が残ります。もし夕方に走ることができたなら、それはプラスの要素ですから、更に達成感を感じます。

五つ。膝や腰に負担をかけないためにもアスファルトを走ることです。初心者が砂の上や芝生を走るとフォームに無理が生じ身体を痛めます。整備されたアスファルトを走ることが大事です。

六つ。距離ではなく時間がものさしです。数字を求めると続きません。5キロメートル走ると決めるよりも、30分走り続けることを目標にした方が続けられます。毎日30分走ることを決めておけば、距離は関係ありません。それが5キロメートルでも3キロメートルであっても、30分走ったという結果が重要なのです。60分走り続けることができたら、最終的にはフルマラソンを走ることができます。ペース配分の問題が残りますが、60分間、動き続けることができればフルマラソンは走りきれます。ですから練習時間を目標として、最終的には毎日1時間走れるように持っていきたいところです。

七つ。時間を小分けにして練習することです。一気に長時間走ったけれども、一週間練習をしないことはいけません。また1時間連続で走れなければ、30分を二回に分けて走れば良いのです。時間を小さく区切って走ること。それが続けられることにつながります。

ランニングは黙って1年、記録を狙うなら3年、安定した走りなら5年以上の継続が必要です。聞いているだけでフルマラソンを走れるように気持ちになりました。後は続けるか続けないかの問題です。 そして屋外に出てランニングの指導を受けました。脚の動きは膝のあげ方、着地の方法、腕の振り方、そしてバランスなど、基礎的な知識を指導してもらいました。ランニングは慌てずにゆっくりと走ることです。先に記したように60分走り続けられたらフルマラソンを完走できますから、市民ランナーはゆっくりと走ることです。ゆっくりと自分のペースで走ることが完走できる方法です。苦しいと感じたらオーバーペースなのです。思っているよりもゆっくりとしたペースで楽しみながら走る練習が大切です。

ランナー弁当

お昼はランナー弁当をいただきました。試合のエネルギーチャージ用の弁当です。試合では炭水化物を燃やして走ることになります。ですから炭水化物を多く摂取することが大切です。ゆっくりと長く走ると体内で脂肪が燃やされますが、速いペースで走ると脂肪ではなくて炭水化物が燃やされるようになります。記録を狙うランナーは試合前に炭水化物を取ることが必要なのですが、ゆっくりペースのランナーや健康志向のランナーの場合は、走っている間は脂肪を燃やしていることを理解しておきたいものです。

ランニングクリニック

以上、簡単に記しましたが、和歌山市で本格的なランニングクリニックを受けられたことは有意義な時間でした。走ることで体温が上がり、気分は爽快となり、そして充実感があります。ランニングは気持ちがあり身体を鍛えるまで続けると、楽しむことができます。壁を乗り越える方法を教えてもらいました。宣言、毎日続ける、そして60分走り続けることまで辿り着いたら、後は生涯スポーツとして自分のものになります。