活動報告・レポート
2011年9月8日(木)
県議会開会
県議会開会

平成23年9月県議会定例会が開会になりました。今回の議会は台風12号による被害への対応をしながらのものであり、開会前に開催した議会運営委員会でも今定例会の運営について議論を交わしました。それは、災害復旧に全力を傾注するために会期を可能な限り短縮できないものかどうか、そして台風12号を議論する東南海・南海地震等対策特別委員会委員に被災地選出の議員を委員として追加することを議論しました。

議会日程に関しては、一般質問を4日間から2日間に短縮して、災害対策に関する質問を優先させることにしました。一般質問を短縮したのは、台風12号被害対策として早期に補正予算を組む必要があり、その補正予算案の提案と審議をなるべく早くするため、日程を短縮して対応するものです。このため補正予算案は9月21日に本会議の席上で提案されることになりました。

また東南海・南海地震等対策特別委員会委員を現行の11名から17名に増員して、この問題に被災地の皆さんの意見や思いを反映させ、迅速な対応をすることにしました。

そして本会議では、政府に向けた意見書として「台風災害対策に関する意見書」をまとめ、全会一致で可決、内閣総理大臣他関係閣僚に提出することになりました。和歌山県議会即ち、和歌山県としての意見を国に提言いたします。被災地の皆さんからお聞きした意見などを反映させた意見書を国に持っていきます。

東南海・南海地震等対策特別委員会

本会議終了後、東南海・南海地震等対策特別委員会が開催されました。今回は台風12号の被害状況について、被災者の皆さんの意見、現地の状況の早期回復を提言した委員会となりました。

主な議論は次の通りです。

携帯電話、固定電話、電気、水道などが止まっています。早期回復の必要性があるものの、国道311号線が土砂崩れのため通行不能なので、作業に取り掛かれない現状を早く解決すること。

国道311号線の復旧が難しいことから迂回路、国道371号線を早急に整備する必要性があること。そうしないと本宮や中辺路まで辿り着けないからです。

最も重要なことは、道路の復旧、生活用水を確保することです。ペットボトルがあっても、お風呂、トイレ、食事の用意などに必要な生活用水が全くないのです。生活用水がないとトイレの利用も不便です。被災している皆さんのために早期に生活用水が回ってくるような対応が必要です。

ライフラインの確保と二次災害の防止に努めること。

避難場所へのテレビの配置や情報の提供などの必要性があります。ストレス、不満の解消のために必要なことです。

Jパワーの水力発電ダムの放流の問題の指摘がありました。最大雨量がある程度予測されている状況にあったことから、事前にダムの貯水量を少なくしておくなどの対策が可能だったのではないでしょうか。熊野川に放水する水量として一気に4,000トン放水すると本宮が水に沈むと言われていますが、今回は9,000トンの水を放流したと言われています。ダム放水のあり方、事前対策について検討して欲しい。また事前放水については各地点でどの程度水位が高くなったのか検証が必要です。

以上の議論、意見と要望を行い、本特別委員会を終えました。次回の本特別委員会は9月27日に開催予定です。

公立高校統合

和歌山県立青陵高校と陵雲高校が統合して、平成24年4月からきのくに青雲高校になります。定時制高校の青陵高校と通信制の陵雲高校を統合して、ひとつの学校にすることで、より生徒に適した教育と指導をする体制を整えます。そして長年の課題であった正門設置の問題、必要な教室確保の問題、体育館確保の問題などを解決することにしています。

正門は南側の壁のところに設置します。そして正門を潜ると前にあるのが体育館ですが、ここに校章を取り付けます。誇りに思える高校になるような整備を行っています。

体育館正門設置予定

平成24年4月からはきのくに青雲高校となりますが、現行の青陵高校と陵雲高校の在校生はそのままの教育課程を学び、平成26年度に閉校となります。

長い検討時期を経てようやく新しい高校として生まれ変わることになりました。時代と共に公立学校のあり方も変わります。異なる教育カリキュラムの学校が同じ建物にあること、校内が狭隘で建築ができなかったこと。そして定時制は夜間から昼間に生徒が移っていることから学校もそれに対応する必要性があることなど、時代の要請と生徒に合わせた改革を行っています。今日も午後からの授業が行われていました。通常定時制は4年間の履修期間がありますが、午後からの授業の単位を習得することによって3年で卒業することが可能です。それを目指した生徒が授業に臨んでいました。

同じく統合する和歌山県立北高校と西高校を訪問しました。両校とも校長先生が対応してくれ、学校の現状を聞かせてもらいました。

北高校は体育科が全国的に有名なスポーツの強豪高校です。体育科が設置されたのは今から50年前のことです。平成24年度で50周年を迎えることになります。全国で二番目に古い時期に体育科が設立された高校なのです。スポーツはどの競技も強いのですが、陸上、体操、フェンシングが全国レベルの強い学校です。

しかし校内に入って驚いたのは、体育施設が老朽化していたことです。新しいトレーニングマシーンはなく、古い形式のトレーニングマシーンがあるだけでした。これで良くスポーツの強豪高校の地位を保てるものだと感じました。

体育館体育館
100メートル走用のトラック

ただ陸上部の要請によって、正式競技と同じ素材の100メートル走用のトラックがありました。ここで練習することによって競技力が高まったようです。正式種目が実施される会場と同じ素材を使った練習場を持っていることは強みです。土の上を走るのと、このトラックを走るのでは全く感触が違います。弾むような感覚、足の裏が着地すると地面から押し返されるような感覚があります。この感覚を感じ取って自分のものとして全国大会に挑むことで成績が上げられているのです。

狭い運動場、古い体育館、狭隘な学校施設など、全国で戦うためのスポーツ環境ではありませんでした。それでも多くのスポーツクラブは全国大会に参加していますし、和歌山県内のスポーツの好きな生徒が目指すべき高校となっています。それに応えられるような練習環境を持った北高校になって欲しいものです。

続いて西高校を訪ねました。西高校は平成24年4月から北高校の西校舎となります。ここに従来の体育科、平成24年度からはスポーツ健康科学科に名称が変更となりますが、それと西高校の普通科が入ります。

こちらも統合の準備が整っています。この統合も長い時間を掛けて設置計画を練ってきたことが分かります。出来上がったモノを批判することや不満を述べることは簡単ですが、新しい統合案を作り上げる作業が大変なのです。統合対象となる両校を見て、今よりも良くなる統合であれば、地域力向上のためにも議論は前向きに進めるべきです。

満足できる研修となりました。今議会定例会の文教委員会で、今日感じたことを提言する予定です。