活動報告・レポート
2011年9月4日(日)
台風12号
台風12号

台風12号の影響がでています。和歌山県の南の地域の新宮市や那智勝浦町では被害が発生しています。県では災害対策本部を設置して、自衛隊の出動要請を始め台風被害の状況把握と対応を行っています。私は警報の発せられている有田市に赴きました。今日は有田市議会議員選挙の告示日ですが、警報が発令されていることから選挙戦よりも非常時の対応が求められる日となりました。有田川の水位は増し、上流から木が流されているなど危険を感じる状況でした。

そして有田市に滞在している時間帯に、有田川水域では1名の方がお亡くなりになる被害が発生しました。ご冥福をお祈りいたします。

また昨夜から避難勧告が出されたことから、山側に向かう道路は渋滞していました。東日本大震災の記憶が新しいこともあり、また災害に対する意識が高まっていることから、高台に避難する姿があり、情報の伝達と把握、冷静な判断、迅速な行動などの意識が感じられました。

有田市

告示となった有田市議会議員選挙に定数15名に対して16名が立候補届けを提出しました。有田市の課題を聞いたところ、「全て」だそうです。収益が図れる産業、東燃撤退の問題、観光振興、防災対策など、和歌山県が抱えている全ての問題を抱えています。地元の有識者と懇談したところ、一番の問題は高齢化にあると聞きました。高齢化すると意欲がなくなることから「もうこのままでいい」と思い行動に移せなくなるそうです。体力と気力が萎えてしまうので、何かを始めることが困難となります。つまり有田市として変化を求めたとしても、それに対応できないのです。市の行動エネルギーが失われているのは市民の高齢化が原因です。これを解消する方法は即座に見つかりません。

「有田市の商店街を見てもらうと分かるのですが、シャッター通りは当然のこと、その付近を歩くと再生が困難であることが分かってもらえます」という意見もありました。高齢化している市に商業や産業を再生できる力は残っていないというものです。「現状を維持するだけでも大変なことなのに、ここから有田市を上昇させることは難しいよ」という意見でした。市が高齢化することが市のエネルギーを奪っている、そして市の再生にそのエネルギーが注入されることはないということです。

これが実感だと思います。この疲弊した状況において消費税、増税をすることは、市の再生どころか今以上の転落を意味しています。「国会議員に見に来てもらいたい。そして税制について判断をしてもらいたい」。こんな意見もありました。

外からの力、内にある若い力が市の再生に関わってくることが最低条件です。つまり企業立地と若い経営者が地域づくりに参画することが再生に必要な最低条件となります。今回の選挙の争点はここにあると考えます。

そして入札制度に関しての意見もありました。有田市民会館と消防署を建て替えて一緒にする計画があります。落札者は大阪の事業者だと聞きました。「何故地元に仕事が落ちないのか。これでは有田市は疲弊するばかりです」との声もありましたが、公共工事は数少ない地方の仕事です。民間活力が弱くて公共事業も減少している、または地元の仕事にならない現状があります。和歌山県の問題でもありますが、有田市も同じ問題を抱えています。公共工事のあり方も検討課題のようです。

有田市再生のための即効性のある有効な政策は難しいことを前提として、数年後の有田市のために皆さんの思いを市政に届ける活動が必要なことです。

地方都市に行くと経済不安、雇用の縮小、産業衰退など全ての課題が凝縮されています。これらの課題に挑戦しようとする議員候補者が戦いを繰り広げています。当選した直後から大きな仕事が待っています。若い力、経験の持つ力、皆さんの力を合わせて有田市再生の助走に踏み出して欲しいと思います。

ご意見

有田市在住でお世話になっているAさんを訪ねました。「有田市も酷いけれど和歌山市も何とかしないと凋落の一途を辿っているよ」。意見をいただきました。和歌山市からは活力が感じられないこと、挑戦する姿勢が感じられないこと、そして県のリーダーとしての役割を果たしていないことの指摘がありました。市の外からでも和歌山市の状況が分かるようです。「何とかして下さい」。一言の依頼を受けました。