風力発電の会社の社長が和歌山市に来ていました。全国全ての都道府県を回り適地を捜しています。既に北海道と青森県に風力発電設備を有していて事業化を図っており、今後も設備設置を進めたい意向を持っています。話を伺うと「風力発電には継続的に強い風が必要で、北海道と青森県が最も適した地域です。東北の高い場所は強い風が吹きます。東北と比較すると和歌山県には適地が少ないですね。強い風が継続的に吹かないからです。太陽光などの方が適しているような気がします」ということでした。
日本全国、そして外国にも視察に行っているのです。社長の主な仕事は、風力発電用地を探すことだそうです。47都道府県全てに知人がいるので、適地の情報が社長に直接入るしくみになっているのです。風力エネルギーを日本全国にまだまだ普及させたいと意欲的でした。
「年金受給世代は、年金を既得権と思っているから年金減額の世論の支持を得るのは難しいと思います」と話してくれました。年金制度が破綻するのを阻止するため、年齢の引き上げや年金の受取額の減額などが議論されていますが、受給対象者は、今まで年金の掛け金を掛けて来たのだからもらうのが当たり前」と思っています。それは当然のことで、働いて支払ってきた年金をもらえる年齢に達するともらえると思っていますし、将来ももらえると信じています。年金制度を変えることには抵抗があるのです。
現役時代から年金制度というルールに従って掛けて来たのに、突然ルール変更をしますから予定していた年金を受け取れませんと通告されたら、それは国に対して怒りが向かいます。スポーツの世界ではルール変更が当たり前ですが、安心と安全のための重要な国の制度を簡単に変えるようでは信頼感に欠けます。
「もし減額されるようなことがあれば対応を考えます」と話していたように、年金生活を破綻させるような制度への変更は、政府で簡単に決められるものではありません。もし制度改革の時期になれば、十分に私達の意見を汲み取って国会審議をして欲しいものです。
国会は国民の代表によって構成されているものであり、国民の思いや考えを実現させる機関でもあるのです。
「でもその前に企業年金が破綻するかもしれませんね」という意見でした。日本航空では企業年金が減額になったと思いますし、東京電力でも企業年金の見直しがされるかも知れません。企業年金も過渡期に入っていますから、現役世代と退職者との連携や経営者側と組合側の考え方の調整が必要です。
制度が変わると人の意識も変わります。帰属意識や仕事に対するやる気など、意識変化があると思います。人の意識が変わると組織も会社も変わります。大きな企業に変化が押し寄せていることから、日本社会の意識が変わるような気配がします。それに対応していく個々人の変化に対する感性と次に備える行動が試されます。
太陽光発電に関する問い合わせがありました。「岡山県では塩田の跡地に日本最大級のメガソーラーを設置する計画があり、既に10社程度の企業が参画を検討しているようです。それに対して和歌山県は立地条件が良いのに話が進展していないようですが、どうなっているのですか」というものです。
日照時間の長い和歌山県はメガソーラーの適地だと考えていますが、具体的な動きは遅いのが現状です。和歌山県に対して早い段階から設置希望があるのですが、当初予定していたよりも計画が進んでいないのです。地方自治体が保有している遊休地。言葉を変えると塩漬けになっている用地を活用するのにメガソーラーは適しています。この場所に製造業が誘致できると良いのですが、そう簡単ではありません。ですから誘致することも有効なのですが、動き鈍い感があります。
太陽光発電に関しても他の地方自治体との競争ですが、どうも和歌山県の動きが遅いので、何としても機会を逃がさないように動いて欲しいところです。第一陣に乗り込めないと次はありません。遅すぎることは何もしないことと一緒です。もし結果が出せなかったとしたら。進捗が見えないことと結果がでないことで、結果責任の所在はなくなります。誰も知らない間に検討され、誰も知らない間に計画はなくなっているとしたら、最初から計画はなかったのと同じです。結果を出すために仕事をしているのですから、関わっている全ての人が責任を持ちながら仕事を進めたいものです。
地方自治体間の競争に勝つために、和歌山県の特性が活かせる分野の仕事は遂行したいものです。