JAXAの方と最近の活動について意見交換する機会がありました。東日本大震災で被災された子ども達に対してJAXAも被災地入りして支援活動を行っています。そこで感じていることは、子ども達が苦難に負けないで成長しているということだそうです。JAXAは全国の学校を回り宇宙に関する授業を行っています。平時は宇宙や科学に興味は薄かったようですが、被災地の学校に入ると科学、そして宇宙技術への関心が高まっているのです。理由として考えられるのは、自然に対して人間は無力だけれども科学を持って自然と共生ではきる関係を保ちたいとする気持ち。そして自然と共生をするためには科学の力が必要だと感じていることが挙げられます。自然と共生するためには自然界を知り、自然を守り共に繁栄するためには科学の力を持ってつきあうことが必要です。
人は自然界から恩恵を一方的に与えられるのではなくて、人の力で地球を守れることもあります。そんな力の源泉のひとつが科学なのです。
そして子ども達は、大災害に直面して人間は無力であることを知りました。無力な自分が大人になって大災害に立ち向かいたいと思う勇気が科学、そして宇宙へと関心を向かわせていることも理由です。
そしてもうひとつの理由は、原子力技術の問題です。科学の粋を集めた技術の原子力技術が自然の猛威の中では通用しないこと、その危機に対して現在の大人の力が通用していない現実に直面し、自分達が科学技術を学び、今の大人を越えようとする思いを抱いていることも理由です。
災害に直面して科学技術が必要なことを悟ったともいえます。以前の宇宙授業の時とは目の輝きが違うことを話してくれました。科学が進歩するためには、特別のインパクトが必要なのも知れません。アポロが宇宙、月面に行って宇宙への憧れを持った子ども達が、現在の宇宙技術を支えているかも知れません。宇宙技術でソビエト連邦に先を越されたアメリカが、その地位を取り戻すためのアポロ計画によって人類を宇宙へと旅立たせたこともあります。
そして東日本大震災という21世紀におけるわが国の危機に際して、大人に向かおうとしている子ども達が希望なのです。希望の力が科学へと向かうことで、日本は希望の持てる国になります。
そしてここからが大切です。子どもに芽生えた希望を現実のものにするためには教育が大切なのです。子ども達に教育をするのは私達であり、教師なのです。教師が科学に向かってもらいたい、そして宇宙を教材とした授業に向かい合って欲しいと思います。
和歌山県ではJAXAスペースティーチャーズを発足させています。県下の活動から被災地の子ども達の授業の支援へと向かうこと。それがいやしの地であり、JAXAスペースティーチャーズを擁している和歌山県が実施すべきことです。
有事の際、人間の力が試されます。有事の際の行動がその人を表します。そして有事の際、将来を支える子ども達に勇気と力を与えることが教育です。勇気は大人が復興に向けた活動をすることで示すことが出来ます。生きていくための力は教育です。有事の際でも弱い立場の人を助け、そして困難に立ち向かっていくことのできる大人になるためには、子ども時代の教育が最も大切です。教師の力、教育の力を見せる時が今からです。
防災対策と共に生きる力を育む教育に取り組みことが大人の責任であり、政治の責任です。困難に直面した中で希望を持って生きている子ども達を大人に育てることが、現在の大人の責任です。JAXAの方との話し合いは希望を見つけられるものでした。
今を生きるだけでは駄目なのです。明日も生きなければならないのです。そして明日を生きるためには今日を大切にしなければなりません。今日を生きて、明日も命に不安を感じることのない強い力があることに感謝したいものです。
今月7月31日に予定している集いの打合せを行いました。休日にも関わらず、集まってくれたスタッフの皆さんに感謝しています。大きな企画を計画すると問題が発生しますし、その途中で目指すべきものを見失うことが多々あります。それでも行き違いを克服して前に進むことが成長なのです。
年下だけれども生き方を尊敬しているAさんが話してくれました。「色々な声を気にしていたら天下を取れませんよ」。小さな場所に留まらないように、小さくまとまらないように期待をしてくれている言葉です。
そしてBさんは「私は片桐さんを育てようとして投資しています。これからの政治家を育てるために必要なものに対してブレーキを踏むようなことを言っていると、和歌山からは何も育ちませんよ」と意見を述べてくれました。
言葉の力は大きいのです。勇気や奮い立たせてくれる力が宿っています。人に対しては、勇気を与えられるような言葉を発したいものです。ブレーキを踏むような言葉は慎むように心掛けたいものです。