活動報告・レポート
2011年7月8日(金)
和歌の浦
和歌の浦

和歌の浦に変化がありません。国の名勝指定を受けてから、間もなく1年が経過しようとしていますが、地元に盛り上がりも変化も見られません。観光表示板も道路標識も全く変わらないので、国の名勝指定による価値の高まりは感じられませんし、以前要望した地域内でのポスター「国の名所指定、和歌の浦」などの掲示も見られません。残念なことです。地元の役割なのか行政の役割なのか不明確ですが、本来は両方が関与すべきものです。そして行政機関は、国の名勝指定の価値を感じているのであれば、観光客に向けた観光案内版や道路標識を製作すべきですし、地元への盛り上げ策への対応も要請もして欲しいところです。今のままでは国の名勝指定は形だけで、これで優れた景勝と文化を持つ観光地としての誇りを持つことができません。

全く変化のない和歌の浦の現状に対して、地元関係者は来週月曜日にも会合を持ち、行政への依頼事項の確認を再度行うことにしています。

おさらいしておくと、平成22年11月に和歌山県知事宛と和歌山市長宛に次のような要望を行っています。

『和歌の浦の国名勝指定にあたる和歌山県・和歌山市への要望』

  1. 和歌浦地区に道標の設置、道標、観光案内版、音声案内装置の設置。観光案内版は統一した仕様とし、音声案内装置は観光客に短時間で和歌の浦を説明するのに適しています。また中国語、韓国語でも案内できるので外国人観光客を迎えるためにも必要です。
  2. 和歌山インターチャンジやJR和歌山駅、南海和歌山市駅から、和歌の浦への経路に対して適切な道路標識の設置。
  3. 鏡山東側の県の駐車場、津子山の遊歩道へのトイレの設置。観光客におもてなしの気持ちを持って迎えるために絶対に必要です。主要観光地で適切な場所にトイレのないところはありません。国名勝指定地域にないのは、地域としておもてなしの気持ちがないのと同じです。
  4. 奠供山・鏡山・妹背山の登山道路の整備、・清掃・管理の充実及び手すりの設置。
  5. 妹背山海禅院及び玉津島神社等の文化財修復の援助。
  6. 山部赤人の歌碑、芭蕉の句碑の安全な見学の確保。
  7. 和歌浦湾から騒音と危険を伴う乗り物、例えばプレジャーボートなどの乗り入れ禁止。干潟内は現在も、プレジャーボートの乗り入れが禁止されている筈ですが、他府県から頻繁に進入しています。
  8. 和歌山バス「玉津島神社前」への横断歩道の設置。道路がカーブとなっているため安全面から設置が必要です。
  9. 妹背山頂上に山部赤人の第二反歌の立て札の設置。元々、設置していたのですが、現在は朽ち果ててしまっています。
  10. 奠供山頂上に山部赤人の等身大の銅像の建設。
  11. 和歌の浦の歴史を初めとする地域に誇れる教育の小学校での実施。
  12. 玉津島周辺道路への大型トラックの乗り入れ禁止。

以上の要望です。全てを実現させることは難しいのですが、着手すべき対策もあり得ます。それが実行に移せていない現状があるのです。全く地元の意向を勘案していないことや、国の名勝指定をしても何の変化もないことから、この指定に意味があったのかどうかの疑問も沸きあがっています。

国の名勝指定を受けた観光地としての適正化を図ることが和歌山県と和歌山市の責任ですが、計画が見えません。

規模は違いますが世界文化遺産登録を受けた平泉では、四ヶ国語の観光案内版や世界文化遺産地域がどの範囲なのかを示す案内板が設置されています。土地勘のない観光客は、この観光案内版が役立ちます。

昨年のこの要望に対して、ある行政関係者は「県外からはナビが設置されている自動車で観光に来るので、観光案内板はいらない」と回答したという話がありますが、思いやりのない発言です。受動的な観光施策と能動的な観光施策の違いは、観光地を持つ行政機関のあり方としては世界レベルと地域内レベルほどの差を感じます。

世界を相手とした観光地を目指しているのか、地域内、範囲を広げても関西圏内程度の観光施策を指向しているのかの違いです。観光客の入り込み数に自ずと差が生じます。そしてお客さんが来ないと嘆いていても、受け入れ態勢に違いがあると言わざるを得ないのです。今からでも遅くはありません。国の名勝指定らしい観光案内、道路標識を設置すべきです。

自立支援施設

和歌山市内の自立支援施設を訪問しました。ここでは子ども達を住み込みで預かり、社会人として育てようと懸命な取り組みをしています。施設長やスタッフの皆さんの苦労話や熱意に触れさせていただきました。

子ども達の自立支援は声なき声を聞くこと、その声を届けることから始めなければなりません。通常であれば、支援を求める声は聞こえてこないのです。そしてその助けを求める声は担当箇所に届かないのです。

子ども達への福祉行政は、行政機関をコストと考えていますが、実は投資なのです。消費ではなくて投資である意味は、将来、彼らが大人になった時に、和歌山県に、そして日本国に利益をもたらす可能性があるのです。投資をすればそれだけ将来のリターンが期待できるのです。それをしなければリターンはありません。大人になった時も社会で自立支援をし続ける必要が生じますから、それでは生産性が高まりません。これから20歳を迎える子ども達の20歳から60歳までの40年間を生産人口として戦力になるのか、それとも自立を求める対象であり続けるのか、その違いは大きく、わが国の将来の力に顕著に現れることになります。今、子ども達への福祉への投資することは、将来につながるのです。その意識を持って自立支援施設への支援策を講じて欲しいところです。

そして子どもが大人なるまでに必要なものは、自己決定力と主体性の二つです。この二つを身に付けなければ社会で大人として通用しません。厳しいようですが自立支援施設の子ども達も身に付けるべき能力です。

自分のことは自分で決めること、そして決めるためには社会に迷惑を掛けない判断ができることです。他人に迷惑を掛けるような判断や自己決定は社会で通用しないルールです。

他人に迷惑を掛けても許される小さな子どもレベルのまま大人になれません。社会が迷惑に成りますし、関わる人も迷惑を被ります。主体性とは社会に通用するルールに基づいて行動することです。子ども達にはこの二つの能力を身につけて社会人として通用する正しい行動をして欲しいと願っています。

ところでこの自立支援施設では、失敗することを保証しています。子どもの間は失敗をして学んでいくのです。成長を促すためには失敗をしてもその権利を認め、そして次の段階に行くことを後押しすることです。そして長い間同じ場所にいると成長しなくなるので、期限を決めて実行を促します。期限を決めて行動するとこが成長するために必要なことです。ここでは、そんな行動様式を決めて子どもの成長を見守っています。

社会の要保護下にある子ども達に対して、生きるための力を学ばせています。学力、能力、意欲のどれか一つでも持っていれば、その子どもは生きていけます。教育、社会に出るための訓練を続けている自立支援施設を応援したいと考えています。

その他
  • 桐の植林計画について話し合いました。和歌山県内で桐の植林計画があります。地球環境問題への対応、そして林業の振興のために計画しています。将来的にはわが県に利益をもたらし、雇用につながることを期待しています。
  • 某自治会長を初めとする皆さんと懇談の時間がありました。自治会が変わると地域も変わろうと向きを変えます。ところが自治会で今までの取り組みにないことを実行しようとすれば、そこに反発もあります。何もしないことが美徳のような風習が残っていて、地域のためにと行動していることに反対意見を述べる人も存在しているのです。同じ自治会でも価値観が違うので難しい問題がありますが、「5年先には変えてみせる」という意気込みを聞いて、もう意識改革に成功したと思いました。明確な地域の姿が描かれているとこで、その頭に描いた地域が現実のものとなります。
  • 告別式に参列いたしました。昨日お亡くなりになったTさんの通夜式です。大勢の皆さんが参列していたことから故人の人柄が偲ばれます。心からのご冥福をお祈りしています。
  • 夜は懇親会に参加しました。長く和歌山県をリードしてくれているMさんの喜寿のお祝いの会でした。これからも益々、私達を引っ張ってくれることを期待しています。
  • 紀州踊りに関して打合せ。和歌山フラメンコ協会として紀州踊りに参加することになっています。今年はその連に参加して行進することになりました。