活動報告・レポート
2011年7月1日(金)
空気の支配
空気の支配

日本人は空気に支配される民族であることは、故山本七平さんが述べたことですが、空気に支配されやすいと感じるものがあります。電気が不足する夏を迎えて、原子力問題が議論されていますが、是非論よりも不要論が空気を支配しているからです。

確かに、これまでは原子力問題は国策であり国民的議論の対象でした。県民、市民の観点から必要性や安全性の議論がなされていないところもあります。国民も県民も市民も同じですが、国民的議論とは国ベルの議論のような感覚があります。つまり国会や有識者間の議論とその評価を信頼することが国民的議論であり、県民、市民の立場での参画は実質的に難しいレベルのものを指していたように思います。

そこには原子力発電所立地に直接関係しない地方都市では、議論の対象と成り得なかったのです。そのため議会や意見交換会などの場で議論される機会は少なかったのです。ところが現在は、通常の会話の中で原子力発電所のことを話すようになりました。今までは思いもしなかったことです。

つまり県民、市民の場所までエネルギー問題が近づいてきたのです。国会議員や有識者が知っておけば良い問題から、地方都市に暮らす私達も知っておくべき課題となったのです。それが県民的議論、市民的議論で語られるようになってきた感覚です。

ところが問題があります。突然、舞い降りた議論なので、知識や情報量は決して多くありません。インターネットの時代とは言え、出展が信頼性のある多くは、マスコミ報道による情報なのです。そこには世論という逆らい難い空気が存在していて、それがまた世論形成につながっていくのです。

原子力問題を原子力の是非で論じるのか、エネルギー自給率4パーセントの省資源国日本が経済成長と国際的競争力を持つ国でいられるのかの大きくて長期的視点で論じるのかによって、導かれる答えは違ってきます。

そして大切なことは、原子力発電は現実社会のしくみの中に組み込まれているということです。某政党のように現実を無視してあるべき姿を描くだけなら、その方向に持っていけば良いのですが、現実を無視して現実を語ることはできません。将来は現実の延長線上にあるもので、現実と乖離したものにはなりません。現実の延長をどの方向にもって行くのかの議論は必要ですが、将来のありたい姿を、明日実現させようとする議論は成り立ちません。既に存在しているひとつの巨大技術を継続するのか、縮小するのか、代替させるのかは、その世代の大きな仕事となります。何十年も議論されて社会で受け入れられてきた技術やしくみ、そして大きな仕事を転換するためには、そこから脱却する代替案を出し合い、それが現実のものに成るまでの期間、その世代がその技術を背負わなければならないのです。

社会の基礎を築いているものを即座に撤去することは、現代社会を否定し崩すことになります。現代社会の基礎を壊すことは、それを基にした産業や経済構造は成り立たないことを示しています。

製品であれば国際的な価格競争力がなくなること。国内産業の空洞化が起きること、その結果、資本が外国に流れることなどの危険が伴います。

技術と知的財産、そして経済力で認められているわが国が、それらのものを流失することや失うことが幸せかどうかは分りません。

今必要なことは、将来においてもわが国が、世界の中の一流国の地位を保てるかどうかの議論です。原子力に変わるエネルギーにシフトするのであれば、研究開発を強化し、代替エネルギーが社会のしくみに早期に組み込まれるようすべきです。直ちに廃止することは、現在の生産力を落とし、家庭の冷房需要を減らす以外にないのです。その結果経済力は低下しますから、その時に訪れる現実に耐えられるかの問題に直面することになります。

現代文明の中で存在するためには安全性の確保は絶対条件です。想定外の範囲を限りなく小さくして現代文明を後退させないようにすることが、この世代の使命です。ですから原子力問題を県民、市民の視点で議論されるテーマとなっていることは歓迎すべきことです。議論を避けて良いものにすることは出来ません。

避難施設

福祉避難所がゼロの和歌山市です。直ぐに対応は難しいと思いますから、民間同士で協定に関する協議を行いました。具体的には市内の某自治会と、その自治会内に存在している福祉施設との間で福祉避難所に相当する協定を結び、地域の安心を確保するものです。

予め自治会と当該福祉施設で要援護者を把握しておくことは、災害発生時に対応するために絶対必要なことです。誰か分からない人を受け入れることは危険だからです。その人の疾病や既往症、必要とする薬や認知の程度などを把握しておくことで、福祉施設はその人に対応できるのです。

ですから地域で要援護者を守るためには、自治会と民生委員、福祉施設と病院、薬局などが一体となって、地域としての援護体制を確立させておくことが必要なのです。

地域防災対策連絡協議会のような組織を立ち上げ、早急にしくみ作りに着手したいと考えています。

依頼

市内のIさん宅を訪問しました。昨夜、突然の依頼があったので、今日対応したものです。

依頼内容の詳細には触れませんが、Iさんが問題にしているのは、当該問題のこれまでの経緯を一転させた対応になった企業があり、その対応に不信感を抱いていること。その問題を解決するために協議し、それに基づいて行動した時間に対して、誰が責任を取ってくれるのか不明なこと、などが論点だと感じました。問題が発生した場合、電話よりも面談することが大切です。直接、顔を合わせて話し合うことで見えてくるものがあります。

相手の感覚。やって欲しいことの真意。そして解決に向けての指針などが感じられるのです。問題が少しでも動いたら、それが解決に近づいたことになります。

雇用

某企業の経営者と雇用問題について話し合いました。企業は人を必要としていますが、必要な人が少ないので採用しないと言うものです。これだけの仕事が存在しているので、例えば10人必要だと判断し募集をしますが、結果的に8人の採用になることがあります。それは必要な人材がいなかったからです。誰でも良いので採用して採用枠を埋めることはしません。極端に言えば、多くの会社を回って試験に落ちた経験が多い人が、社会の厳しさが分り、その会社で長続きする場合が多いと聞きました。社会で経験と実績のない人が、辞めても社会で通用しないことを知っているからです。

ある会社で実績の残していない人が、他に転職しても実績が上げられるかどうかは分りませんが、現実的には余程水があっていない限り困難です。

自分がお客さんだったら、自分のような人から製品を買いたいか思い浮かべると自分を知ることができます。自分のような営業員から買いたいと思うならば、そのままで採用してくれる確率が高くなります。反対に自分のような営業員からものを買いたくないと思ったら、採用されないと思うべきです。お客さんから支持される人材になることが就職の早道です。

自分のことを棚にあげて、問題を他人に持っていくことを続けている限り、仕事や会社はこちらを向いてくれません。

その他
  • 有家自治会会館に必要とされるデジタルテレビ、DVDプレーヤー、コピー機器に関して、地元電気店と話し合いました。それらを揃えてくれるので、購入に関しては次回の自治会役員会で諮ることにしています。
  • セラヴィ夏祭りの打合せを行いました。地元の皆さんが楽しめる内容に仕上げること、そして地域の防災対策の周知が図ることなどを協議しました。
  • ある問題に対する法的な考え方についての相談がありました。一般的な回答を行ない、これ以上の個別の事例解決に関しては、専門家の判断が必要となることを伝えました。
  • 地域のゴミ問題解決に向けて話し合いをしました。ゴミ回収場所が狭くて道路幅を占拠してしまう地域の問題について結論を導こうと行動しました。