国の名勝指定の和歌の浦。その指定された地域内にある別荘の清掃に出掛けました。この別荘は、玉津島神社の北隣にあり、夏草で家屋が覆いかぶさっていました。ボランティアの有志で清掃活動を行ったものです。そして家屋内に入らせてもらい、中の様子も拝見しました。昭和8年に建築された建物で、昭和一桁の昔を想像させてくれるような趣のある内部でした。
地元の有志の案としては、この場所を観光案内所兼物産販売所として活用できないかというものです。勿論、個人所有の別荘ですから許可が必要ですし、仮に借りられたとしても補修費用が相当必要と思われます。公費で負担することは限りなく難しいと思いますから、維持管理費の問題が発生します。簡単な問題ではありませんが、地元の熱意を受け取りました。夏の暑い一日、本当にお疲れ様でした。
草津市の民生委員、児童委員協議会の皆さんが研修のために、和歌の浦の片男波自治会を訪れました。目的は自治会の防災対策について学ぶことです。片男波自治会を近畿で有名にしたのは、東日本大震災の時に自治会としてまとまって避難したことがテレビで報道されたからです。元々、和歌山市で防災対策の先進地としては有名でしたが、このことで一気に知名度は広がりました。
片男波地区防災責任者の玉置部長から約2時間の説明と質疑応答がありました。自治会の取り組みの素晴らしさを十分に感じさせてくれました。そして研修に来てくれた草津市の代表者の方からは、「どうしても片男波自治会に来たかったのです。民生委員を軸に自治会としての防災対策を真剣に行っているのは片男波自治会だと思っていました。来て、やはり素晴らしい取り組みであることを学びました」と終わりに挨拶があった程です。
3月11日の大震災の津波警報により、和歌山市の避難対象世帯は15,000世帯、対象者は40,000人でした。その内、実際の避難者数は882人に過ぎませんでした。その中で和歌浦地区の避難人数は650人、片男波自治会の避難人数は160人でした。如何に和歌の浦地域の防災意識が高いのかを示しています。そして避難に際しては予め指定された援護者が要援護者を避難所に運んだのです。この取り組みが出来ている地域が片男波自治会なのです。
これは平成19年から「自治会災害時助け合い登録書」の取り組みを始めていて、平成23年は5年目を迎えていること、10年以上も前から自治会の運動会で防災避難競技を導入して、防災意識の向上に努めていたことなどが要因です。
自治会が常に防災活動の先頭を走っていることから、非常時の避難は日常の行動の中に組み込まれているのです。しかし、ここまで来るには長い時間を要しています。10年以上も前から、片男波地域は海岸に近くて、万が一、津波の発生の際は他の地域と同じ意識であれば逃げられないこと。高齢者が多くて援護を必要としている人も多いことなどから、いち早く、防災意識を高めるための取り組みをしているのです。
その取り組みが、今回の大震災発生時に威力を発揮したのです。そして緩むことなく、継続した防災の取り組みを今も行っています。今日の研修会に参加させてもらって、地域の防災力を高めることが生命を守るための絶対必要条件であることが理解できました。
和歌山市内の全ての自治会に広がって欲しいものです。
東京都から和歌山市に移住してくたれ方がいます。今年2月に品川区から和歌山市に移り住んでくれました。和歌山市は初めてなのですが、その理由を聞くと「海がきれいで海釣りができる環境があったこと」を挙げてくれました。また住居の価格は品川区の10分の1と安価であつたことも決め手となったそうです。
また職を離れて仕事がない状態で和歌山市に来ていますが、品川区の自宅を処分したお金で当面は暮らせるとのこと。兎に角、和歌山市の人口が二人増えたことは事実です。