理想を持って会社を設立しようと思っている方がいます。設立に関する相談をいただきました。まだ経験が浅い方だったので、会社経営者にも同席してもらっての話し合いとなりました。
これから社会で活躍しようとする理想を掲げている人の話は楽しいものでした。しかし理想だけで通用する程、現実社会は甘くありません。理想を掲げている人に共通する問題点を記します。
語ることは出来ても具体化できていないことです。自分で会社を設立するに際して協力して欲しい旨の相談ですが、会社の内容、資金計画などがないのです。つまり語ることは出来ても形になったペーパーがないのです。聞くだけ話を聞いて、「では今の話を形にしたものはありませんか」との質問に対して「何もない」のです。つまり理想を紙に落とし込む作業が出来ていないのです。理想を実現しようと思ったら、絶対にそれを形にしなければなりません。人に話すだけで協力してくれる人はいないのです。
「会社を設立したいのだけれど協力して欲しい」と言われても、「では登記するための約款や必要書類はないのですか」と答える以外にありません。つまり話を聞いてもらって、実作業を手伝って欲しいということなのです。自分で実現したいことは自分で書類を作成して行動を起こすことが始まりです。最初のところの作業をしなければ何も進まないことを知るべきなのです。
最低限、話を具体化させた資料を用意しなければ何も進みません。福祉に理想を掲げている人は多いのですが、理想を語るだけではなくて、自分で行動を起こせる人でないと現実は変わりません。行動を起こせる人だけが理想を形にすることができるのです。
この点でスタートを切るには準備が整っていませんでした。
続いての問題点は陰の部分に焦点を当てすぎていることです。「今まで勤めていた会社の○○が悪い。△△も悪い。という話を聞きました。だから自分で会社を設立したいのです」という話でした。しかし陰の部分だけを語ってもそれは光に転化させることはできないのです。その会社に言われるような陰があったかも知れません。しかし社会で存続しているといことは、社会で必要とされるような光の部分もあるのです。陰の部分だけで会社は社会で存続することはないのです。どんな役割であれ、社会で必要とされているから会社は存在しているのです。
ですから陰の部分だけを見るのではなくて、光の部分を見てそこを真似ることからスタートさせるべきです。どんな会社にも光の部分はあります。その良いところを学び、新しい会社に装着させると良いのです。理想に陰の部分を取り込んでは光が入ってきません。
光の部分だけを理想に取り込むべきなのです。陰に光を当てるためには、陰の部分を批判していても光は射してきません。光を欲するならば、陰ではなくて自らが光となる必要があるのです。
理想を実現することの難しさを感じました。理想を持つことは大切ですが、理想を掲げるだけでは理想を具体化させることはできないのです。理想をペーパーに書いて話をすること。行動を伴わせること。世の中の光の部分を実現させるような考え方に立つことが必要なのです。
理想を現実にすることを思っている人は多いのですが、それができていないことが、現実にするためには高い壁が存在していることを示しています。理想を現実にするためには話をするだけでは駄目で、説明する相手に配れる位の企画書が最低限必要です。
新しく会社を拡大するための運転資金調達について相談を受けました。会社にとって、運転資金を調達することは簡単ではありません。つまり金融機関が借りて欲しい会社は資金を必要としないのですが、金融機関が積極的に貸したくない会社が資金を欲しているからです。
ただ相談をいただいたこの会社は、東日本大震災の影響を受けて3月の売り上げが落ち込み、結果として平成23年度決算が前年と比較して数字は良くなかったのですが、売り上げと利益からすると実力のある会社でした。運転資金があれば事業拡大が可能と思えました。制度融資の適用について協議を行っています。
お昼の時間に昼食を兼ねて梅加工業の経営者の方と懇談を行いました。梅は健康ブームもあって好調です。ただ東日本大震災の影響から、平成23年3月以降の売り上げは落ちているようです。設備投資の話があるようですが、梅の生産工程には余力があり工場拡大の余地は無いという話でした。つまり供給力に余力があり、今以上の需要の要請があったとしても、現行の工場で対応できるというものです。工場を拡大して供給力を保つ必要はないのです。
市場規模と今後の動きと供給力が頭に入っているのです。経営者の頭には赤字を出すような考えはありませんし、赤字が出る恐れがあるような事業計画には着手しないのです。
資金計画がきっちりと出来ているのが経営者です。それがないと経営者は務まらない、そんなことを感じました。
お昼の12時からは告別式に参列させていただきました。人生の志半ばでこの世を去った人の無念さを感じました。もっと仕事をしたかったことを伺いましたし、社会で役立ちたいと思っていることも知りました。しかし死がその思いを断ち切りました。
死に際して必要なことは、人に迷惑を掛けないことです。人に尽くして死を迎えると神様が次の世界で迎えてくれます。ところが人を騙したり信頼を裏切ったりすると、死の世界は怖いものとなります。たった一人で死の世界に旅立つことになるのです。暗い世界にただ一人、誰も居ない世界に投げ出されるのです。自分ひとりだけで誰も居ない暗黒の世界が人に迷惑を掛けた人が向かえる次の世界なのです。
たった一人の暗黒の世界はとても怖いものです。そんな世界に行きたくないと思いますから、現実の今の世界で人との信頼を大切にして社会での役割を果たしたいものです。そして神様が迎えてくれているYさんに心からご冥福をお祈りしています。
和歌山市の中心部に位置しているフォルテワジマ内に、和歌山県立医科大学の施設「みらい医療推進センター」があります。平成21年に予防医学に重点を置いた施設として設立されているのです。中でも研究の中心となっている「げんき開発研究所」は、スポーツ医科学の研究、県民の皆さんに向けたスポーツ教室、トップアスリート向けのメディカルサポート、産官学が連携した新技術開発などを行っています。そして当面の目標は2015年開催予定の、わかやま国体の選手強化の中核施設としての役割を果たすことにあります。
詳しく説明しなければ、この「げんき開発研究所」の凄さは分かりません。改めて概要を報告したいと思います。
夜は二つの懇親会に参加しました。どちらも私の活動を励ましてくれる皆さんとの懇親会で、楽しい会話に包まれた夜が更けていきました。明日に向けての元気をいただきました。