設置してから最初の東南海・南海地震等特別委員会が開催されました。この特別委員会は、和歌山県に到来すると予想されている東南海・南海地震に備えて対策を講じるために設置されたものです。第一回目は、和歌山県として検討している防災と減災対策の総点検の実施状況に関して報告を求めたものです。本格的な議論は6月定例会で議論する予定ですが、6月議会を控え事前に対策状況を把握するための意味合いで開催したものです。
3月11日の災害で和歌山県が被った被害は水産関係で約9億6千万円、プレジャーボート転覆流出が16隻ありました。
そして和歌山県が想定している東南海・南海地震は、東海・東南海・南海地震の三連動の最悪時のシミュレーションを基にしています。現時点では、これまでの避難場所が適切であるかどうかの点検と見直しを行うと共に、避難方法を私達が自覚できるまで徹底することを目標に掲げています。そして災害時要援護者の避難対策、耐震診断、耐震補強、家具の固定などの減災対策について点検を実施していくことにしています。6月議会までに、短期的な対策は市町村と共に調査と検討を進めていますし、中期的な対策として予算が伴うものや点検の結果取り組むべきと判断した事業は措置を行うことにしています。そして長期的な対策は国の被害想定を踏まえた見直しを図ることにしています。
緊急を要する短期的な対策として、市町村の避難施設の見直しや新たな避難ビルとの折衝を行っているところです。ただ特別委員会での議論を受けて市と折衝したところ、避難ビルとして適していると思われる場所を避難施設として活用を希望する場合は、当該自治会が折衝をして欲しいとの対応でした。理由は避難場所として市が公表すると、その施設に避難者が殺到するので地元対策とならないことの理由がありました。それに関して議論をしましたが、納得できない部分があります。しかし自分達ですべきことは行動してから依頼することと考え、早速、地元自治会と協議を計ることを考えています。
また和歌山県が設置した専門家会議で触れられた内容について確認しました。主な指摘は次の通りです。
指定避難所が目標とするのではなくて、更に高台に逃げることや裏山に逃げるなど、より安全レベルを上げるような避難行動を進めることが重要であること。
津波を起こす断層面は崩れきるのに3分くらいかかります。そのため3分以上揺れが続いたら、その揺れが例え小さくても津波を想定して直ぐに避難行動を取るべきこと。
今回の東日本大震災でも5分以上揺れが続いていたことから、反射的に巨大津波を連想して欲しかったこと。
和歌山県の場合、津波の高さはともかく、到達時間についてはシミュレーションで出た結果がほぼ当たるので、避難のうえでは到達時間を考えた避難行動が可能であること。
到達時間まで10分ほどしかない場合は、反射的な避難行動に移る必要があることや、その場合は車を使わないこと。などの指摘がありました。
これらの指摘を踏まえて避難場所や対策の見直しを図っているところです。また専門家会議で議論されている内容は参考になるので、特別委員会委員も参加できるように調整をしてもらうように依頼をしています。
和歌山県議会として東南海・南海地震に特化した特別委員会を設置して最初の会議が開かれました。十分に議論を交わし、わが県の安全と安心、県民の皆さんの生命と財産を守れるように尽くしたいと考えています。
早いもので平成24年度の政府要望の時期となりました。今日は和歌山県の政府要望について確認しました。地震、津波対策を重点にすることは当然のことですが、大震災を踏まえたエネルギー関連施策の充実や難病対策についても国に提言することにしています。
災害に強い県土づくりは当然のことですが、国家プロジェクトとしての東南海・南海地震対策を推進してもらうことを強く要望する予定です。
さて難病対策に関して要望しました。それは、難病患者と家族の医療費負担軽減のために対象疾患の見直しを図ることと国の責任の下で必要な財源を確実に担保する制度を構築することです。
具体的には、特定疾患治療研究事業の対象疾患を拡大すること、特にシェーグレン症候群について対象とするよう初めて明記しています。これは特定疾患治療研究事業として認定されているのは56疾患であり、シェーグレン症候群は認定されていません。そのため難病でありながら公費負担をしてくれないので患者さんの治療費の負担が大きくなっています。難病として指定されている限り、国に治療費の負担を求めるものです。
そして超過負担の解消にいても要望をあげる予定です。これは特定疾患治療研究事業の国庫補助金の交付率は2分の1となっていますが、現実は、国の予算が必要額の半分程度しか確保されていないため和歌山県でも多額の超過負担が発生しています。そのため国の要綱に基づく予算事業ではなく、予算確保における国の責任を規定した法令を根拠とする制度への移行に付いて求めることにしています。
より良い県土づくりと安心して生活できる環境をつくるために、平成24年度の政府要望をすることにしています。政府要望時期は6月上旬の予定です。
国の名勝指定を受けた和歌の浦の観光振興に関して協議しました。平成22年8月に国の名勝指定を受けていますが、和歌の浦の観光に重点を置いているような変化が感じられません。このままでは国の名勝指定としての価値が感じられないのです。平成23年度もそうですが、予算化が必要なものに関しては平成24年度に向けて観光事業費を求めたいと考えています。中でも国の名勝指定を受けた地域内に観光案内所が設置されていないことは致命的です。県外から来てくれた観光客への対応が出来ていないのです。このように、観光地として不足している部分について議論しました。
トイレ、観光案内板、風光明媚な食事場所、和歌の浦の文化と歴史を感じられる施設についてなど、対応が必要なことが山積しています。
- 新公共事業に関して調整を図りました。地方自治体とNPO法人などが協働する事業の募集を行っています。これは画期的な制度ですから活用したいところですが、初めてのことなので準備に戸惑っています。和歌山県活性化のために、新鮮な協働事業の提案を求めたいところです。
- 夕方からは懇親会に参加しました。ここで特別委員会の報告や活動内容を説明させてもらいました。皆さんからの期待を感じられたことを嬉しく思います。