活動報告・レポート
2011年5月15日(日)
和歌祭
和歌祭

今年も和歌祭に参加しました。参加行列は恒例となっている武者姿でした。武者姿の鎧兜を着衣すると重さは約30キロになります。これを着衣して時代行列をするのは結構体力が必要です。今日は和歌浦の心地良い風に吹かれて全行程を歩いて行進しました。時代行列の中で、多くの方と会うことが出来ました。和歌浦地域の皆さんとのふれあいも和歌祭の魅力です。一年に一度会う人もいますが、和歌祭の中で会えることはお互いを確かめ合える機会となり、また次の一年にお互いの関係を継続できるような気がします。

行列の最中、岸和田市から来ている方とも会い意見交換ができました。和歌浦に来ている目的はマリンスポーツですが、丁度、和歌祭のタイミングに出会ったことから関心を持ってくれました。「和歌浦が江戸時代から栄えた地域であったことは知りませんでした。海のきれいな場所なのでマリンスポーツに来ていますが、歴史的背景や文化があることは知りませんでした」ということでした。若い人にとって和歌浦とは海のきれいな場所、マリンスポーツを楽しめる場所という感覚です。それは間違いではありませんが、和歌浦の歴史を知ってもらえると、もっと和歌浦を好きになってもらえると思いますし、大切な海を守ってくれるようになると期待できます。レジャーを楽しめる海としての和歌浦と歴史的背景のある和歌の浦の両面を楽しめる地域づくりをしたいと考えました。

また今回は外国からのお客さんと比較的多く会いました。オーストラリアから来ていた方と写真を撮りましたが、和歌祭について尋ねると「和歌祭はとても大好きです。今年が二度目の観覧です」と答えてくれました。和歌祭のような時代行列を保存していることは和歌山県にとっても誇りだと思いました。

あの頃

同級生O君の家を訪ねました。そこでO君とお母さんに会うことができました。「昔と全然変わっていないねぇ」と驚いて、続いて話をしてくれました。「息子の同級生が県会議員になってくれて、本当に嬉しいですね。息子の誇りになるためにも、もっともっと、頑張って下さいね」と励ましてくれました。

改めて思うと、O君とは小学校、中学校、高校も一緒でした。先の5月3日、実に37年ぶりとなるドッヂボールをしたばかりで、懐かしさがありました。しかし時の経つのは早いもので、小学校当時快速を誇ったO君のスピードボールは再現できませんでした。その時に踏ん張ったことから足を痛めて病院に通院している現実を見て、何も不安なことが起きなかった子ども時代は、遥か遠い昔であることを実感しました。

別れ際にお母さんは涙を零して喜んでくれました。「息子のところまで、そして私のところまで、忘れないでわざわざ来てくれたことに感謝しています」という言葉を残してくれました。きれいな涙と素敵な言葉は人の心を打ちます。タイムマシンに乗って昔に返ったような錯覚がありました。

もう戻ることはできませんが、でも、あの頃の気持ちを持ち続けられていることを嬉しく思っています。大空の向こうに未来が広がっていた頃、まちの向こう側に何かが待っていたと思っていた頃、そして何にでもなれると信じていた年代でした。その37年後の未来を生きています。確かに未来は存在していました。ただ未来という社会で主役にはなれていませんが、自分の中では主役を張れている年代になっています。親と子どもという大切な役を引き受けてくれる人に囲まれて、主役の時代が続いています。かつて主役であった元同級生である私達の両親は子どもを主役に育ててくれ、そして今は助演俳優を演じてくれています。37年後の人生が再び交わっていることも悪くないものです。

何かを無くしてきたのではなくて、何かを得てきた道があります。知識も経験も、そして信頼も得てきています。活動の場は学校のグラウンドでのドッヂボールから、ゲームセンターへと移り、そして今はこの社会全体がフィールドとなっています。決められた場所ではなくて、自分が活動の場所を決められるのです。そこには導いてくれる先生は存在していませんし、いつも安全な道を示してくれていた両親も現役時代を離れ、道を示してくれなくなりました。常に交差点を進む道を選択するのは自分であり、歩くことも止まることも自分の選択でできるのです。社会生活で現役時代を張れるのはあと10年となりました。活動の領域をどこまで拡大できるのか、どこまで社会を前進させられるのか。残りの期間に託されています。誕生してから50年、小学校から38年、中学校から35年の道を歩いてきました。

決して戻らないあの頃は懐かしすぎますが、平成23年のこの時も、10年後から見ると、決して戻らないあの頃なのです。決して戻らないあの頃を生きているのですから、今を素晴らしいあの頃だったと言えるように、今日を生きたいものです。あの頃があると人は生きられます。