自動車メーカーの方と懇談する機会がありました。自動車会社では、東日本大震災の影響で自動車や部品や塗料が入ってこなくなっています。通常、在庫は三ヶ月持っているのですが、その在庫がなくなっているのです。生産ができないこともありますが、被災地の復旧を優先させているため、部品や塗料が入ってこないようです。自動車部品は2万点から3万点の部品で構成されています。その中の一つでも欠けると自動車は完成しません。小さなねじ一つでも在庫がないと自動車は完成しないのです。
そのため自動車の注文をいただいても納車ができない状態が続いています。長い会社生活の中で初めての経験だと伺いました。併せて、平成23年度上期の目標値を対前年比ゼロパーセントに下方修正しています。前年度と同程度の売り上げが確保できるのであれば上出来と見越しています。
それにしても東北地方に製造拠点が連なっていることを知りました。部品がないと完成品に仕上がらないため、製造工場が他の地域にあっても自動車が作れないのです。カンバン方式によって在庫を抱えなくて済むことからコスト削減が図れている自動車会社ですが、在庫が無いことによる不利益を感じているようです。
ただ外国製の部品を調達しようとする動きがあり、もし外国製のものが使用できるのであれば、それに切り替えて生産ラインを復活させることも検討しています。そこで問題があります。例えば、外国製のねじが品質に問題が無く使用できるとした場合、同時にコスト削減が図れますから、引き続いて外国製のねじを使用することになります。つまり日本国内のねじ工場が不必要になるのです。
もうひとつの問題は、外国製品にシフトされることです。諸国では、中国製や韓国製の自動車が売れていると聞きました。日本の自動車の性能が優れているとされていますが、ユーザーから中国製や韓国製の自動車に問題がないと判断された場合、日本製の自動車が売れなくなることも考えられます。市場からお客さんを一度逃がすと、再び戻ってくれるまでには相当の時間と労力を必要とします。これから発生するであろう問題を解決する仕組みも考えておくべきです。
また外国の製造業の操業も停止されていると聞きました。それは外国製品を造るにあたっても、日本製の部品が採用されている場合があるためです。東アジアでも箱の部分は造れますが、心臓部分のものは日本製が採用されていることがあります。心臓部分がノウハウであり、秘密を保持している部分ですから、日本企業は外国で生産をしていないのです。
これらの部分のものは日本から輸出しています。その心臓部分の部材が東北で製造されていたのです。ですから日本が止まると外国企業も止まります。それだけの影響力を持っているのが日本であり、東北地方だったのです。震災の影響は日本全体、そして世界各国に及んでいます。早く事態を収拾して欲しいものです。
その方法のひとつとして、個人から資金を集める方法があります。無記名で無利息の国債を発行して富裕層に購入してもらう方法です。富裕層にとって相続税対策は関心事ですから、購入してくれる可能性はあります。国債を発行しても日銀が購入してくれるかどうか分かりませんし、日本の国債のように安い金利では外国からの資金調達は厳しいものがあります。それならば個人資産を市場で流通させてもらう方法も考えられます。
震災対策の資金を調達する方法として無記名、無利息国債もありのように考えます。
今日も皆さんのところを訪問させていただきました。全ての皆さんから激励と労いの言葉を頂戴しました。幸せなことです。
夜は懇談会に参加しました。来年の就職事情やスポーツによる地域振興などについて話し合いました。