一般質問三日目も、当初予算に関しての質疑が続けられています。一般質問の答弁の中で知事から、「子ども達の将来のための教育について、予算がないからと言って削るようなことはしない」と力強い言葉がありました。教育予算を削ることは将来を削ることなのです。人材を育成することが責任ある大人の役割であり、県行政においても子ども達の教育のために十分な予算措置を図るように議論しています。
私が予算特別委員会で取り上げる予定の外国語教育予算に関しても、必要なものは予算措置を講じるべきだと主張としています。平成24年度から高校の外国語教育において、和歌山県では英語でディベートの時間を確保する予定です。平成23年度はそのための準備期間として、高校の英語教師に対して、英語でディベートをする授業ための研修を計画しています。予算は約1,000万円です。通常、研修予算に1,000万円も予算措置をすることはなく、今回の英語ディベートの研修のための予算は破格になっています。
英語力を習得するための新しい施策なのに、その予算が1,000万円では少ないと指摘をしたところ、破格の予算であることが分かりました。府県全体で高校教育において英語のディベート授業を実施するのは和歌山県が全国で初めてです。それだけ英語教育を重点にしていることが分かります。
この研修は20人編成で、一人当たり3回の研修を受講することになります。和歌山県の高校の英語の教師は約260人いるので、全員に対してこの研修機会を付与することになります。「少な過ぎるのでは」との質問に対して、「高校の英語教師は英語が出来ることを前提にしています。ただディベートの授業経験が無いので、その前提を基にして研修をすることにしていますから大丈夫です」という回答がありました。
当たり前のことですが、英語教師は英語が出来るのです。後は指導方法の問題なので、専門家に研修を任せることになります。この研修の役割は、新年度に入札によって決定することになっています。
他にも中国語や韓国語、スペイン語の選択ができる高校もあり、和歌山県は外国語教育に熱心な県だと認識しています。
予算特別委員会の質問については、環境基本計画に関する県内の環境と新エネルギーについて、入札制度の問題点、人口減少と県成長率や県民所得の問題などを取り上げることにしています。
環境基本計画に関しては、風力発電とメガソーラーの導入計画、省CO2の取り組みについて質します。風力発電の計画地点は約100箇所ありますが、無秩序な設置は景観と健康の観点からガイドラインを設けて適切な計画に誘導することも検討課題であることの指摘をします。またメガソーラーに関しては、地域経済と雇用確保につながるように仕向けて取り組むことを意見します。
また省CO2については、省エネに加えて低炭素なエネルギーの選択、つまり省CO2が重要であることを指摘します。これは「環境白書」の中で、茅陽一東大名誉教授が提唱している恒等式である「CO2排出量=(X)活動量×(Y)エネルギー消費効率×(Z)炭素集約度」の考え方に基づくものです。炭素集約度とは、エネルギー消費によって炭素排出量が違うことを示しています。
(X)活動量×(Y)エネルギー消費効率の部分は、エネルギー消費抑制、省エネに資する部分であり、ここに単位エネルギーあたりのCO2排出量である(Z)炭素集約度を加えると省CO2の取り組みとなります。ここまでの対策を実行して、地球温暖化対策になるというものです。
もう少し記すと、茅陽一氏の「茅恒等式」は、CO2排出量=CO2排出量/GDP×GDPとなり、これを微分すると、CO2排出量変化率=技術進歩率+GDP成長率となります。
結論からすると、CO2排出量を減らすには、技術進歩か、経済成長率を減らすか以外に方法がないというものです。経済成長を失速させる訳にはいきませんから、技術進歩を図ることが私達に求められていることなのです。
地球の課題を和歌山県の環境基本計画に直接取り込むことは困難ですが、その精神は注入しておきたいと考えています。
一般質問に引き続いて、行政改革・基本計画等特別委員会が開催されました。関西広域連合議会の内容について報告を受けました。