官公庁が建築物を検討するに当たってプロポーザルをするケースが増えています。当該物件の企画と予算を合わせて提案するもので、単に予算で決めるのではなくて企画内容も審査できる方式で、この方式を導入することは好ましいことです。しかし問題があります。
企画内容を重点にする余り、ランニングコスト、つまり建物が建築された後の運営費の予算が嵩む場合があるのです。建築物の場合は懲りすぎた構造にすると光熱費が高くなり、それを毎月負担することで、毎年の予算が膨らむことになります。それがずっと続きますから、箱物行政のツケを税金で支払うことになるのです。
プロポーザルの場合は、今の時代、ランニングコストを重視して提案内容を審査して欲しいと要望がありました。流行の建物や格好の良い建物も良いのですが、税金での負担を前提とした場合、維持経費を削減できる方式を採用したいものです。建設事業者からの貴重な意見でした。
もうひとつ意見交換したのが、最低価格の線引きの問題です。本年度の事例ですが、ある公共建築物の入札がありました。9社が入札に参加したのですが、7社が最低入札価格を下回ったため失格となりました。その結果、予算で言うと二番目に高い札を入れた事業者が落札したのです。最も安価で入札した事業者から6番目に安い価格で入札した事業者までが低入札で失格となったのです。市民の立場からすると、公共工事は税金負担によるものですから、信頼性を担保できるのであれば安い方が良いと思います。入札に参加した事業者はスーパーゼネコンを初めとする大手建設事業者でしたから、どこが落札しても信頼性は確保できるものでした。それらのスーパーゼネコンの入札金額が最低入札価格を下回ったため高値での落札となりました。
つまり最低入札価格の線引きが高いラインにあったことを意味しています。建設事業者と話をしたところ、明らかに高い予算設定をしているとのことでした。そのため最低入札価格のラインが高い金額で設定され、スーパーゼネコンの入札額が最低入札価格を下回ってしまったのです。
こんな事象が発生したことで考えられることは少ないのです。ひとつは、入札に参加した大手事業者が地元の建設事業者を下請けに入ってもらうため、見積もり金額を高い目に設定したのではないかと言うものです。和歌山県内の地元事業者に仕事をしてもらって収益を得てもらうように設定単価を高くしたと考えられます。地元事業者育成のためには理由となりますが、納税者の立場からすると、余りに高く予算設定は税負担を増やすことになりますから、疑問が生じることになります。事実、この入札結果に関しての疑問の意見を聞きます。落札者が地元事業者と組んだ形跡がないので不用意なことは言えませんが、余りにも最低入札価格を高めに設定すると疑惑が生じることになります。
ふたつ目に考えられることは、事前に協議をしていることですが、今回の場合、9社中7社が最低入札価格を下回っているので、明らかに不自然な形となっています。そんな不自然な姿で事前協議をする筈はないと思います。ですから事前に打合せが出来ていたとは考えにくいのです。
地元事業者を活用することと税負担の増加の問題は、どちらに重きを置くかは市町村の価値判断です。信頼性と安全性を確保でき、地元にも配慮した形で適切な価格で入札してもらえしくみの検討がいると思います。勿論、このしくみを作ることは容易ではないことは認識していますが、地元事業者と共存するために検討が必要だと認識しています。
久留米市で実証実験がされている風洞発電設備。エネルギー問題と地球環境問題を解決する鍵を握っている発電方式の一つだと考えています。世界特許においてはトリプルAを獲得している発明ですから、世界が評価しているものです。ところが新技術のため普及するのに時間が掛かっています。
この技術を高く評価してくれている皆さんが和歌山県を訪れてくれ、熱心に何とか世に出したいという思いを伝えてくれました。地球環境保全に関する技術は日本が世界で一番だと思います。日本発の地球環境問題を解決するための方式を発信することは素晴らしいことです。
そして今日のご縁は不思議なところからやってきました。風洞発電に投資をしたいと考えているチームの方が、以前から私のホームページを見てくれていたのです。片桐が風洞発電に関係していることを知っていながら、和歌山県に来る機会もなく、そして接点もありませんでした。先日、風洞発電とは別の仕事で和歌山市に来たそうです。その打合せをした事務所の壁に、私の室内用ポスターが貼られていました。今日、大阪から来てくれたIさんはそのポスターを見て、「片桐さんを知っているのであれば紹介して欲しい」と依頼がありました。そこから連絡をいただき、今日の懇談につながったのです。不思議なご縁です。二人の共通する人間関係と風洞発電を巡る不思議なご縁が引き寄せてくれました。今後の活動方針について協議を行い、今後の展開に期待できることになりました。
夜は素晴らしい皆さんとの懇親会の機会を得ました。滅多に揃うことのないメンバーが集まって、これからの和歌山県のことに関して話し合いました。現状を良いと思っている人は誰一人としていません。何とか変化を起こさなければ和歌山県の未来はないと思っています。ところが変化の兆しがないので今年の入ってからの一連の選挙戦は低調、無関心になっているのです。
和歌山県はこれからです。そのためには、これからを感じさせてくれるものが必要です。
それがないと、「これから」は訪れてくれません。国家感を持ちながら地域のことに携われる人材に期待することになります。さあ、これからだという気持ちで取り組みます。
- Sさんが来てくれました。和歌山県内の語り部活動や高齢者のためのパソコン指導を行っています。近々、和歌山市における熊野古道の歴史に関する講演会も実施します。語りと音楽を組み合わせた講演になると聞きました。地域の力で和歌山市を盛り上げてくれています。
- Yさんからは知事選挙が低調なのは、和歌山県の現状は誰も変えられないと思っていることや、国政での低迷から政治への期待が失われていることが要因であると指摘がありました。直ちにこれを変えることは困難ですから、自分達の一票によって変える力を発揮したいと思います。無関心からは何も生まれません。
- Hさんは和歌山の次期リーダーの出現に期待しています。今の体制では何の期待もないので、次の時代を担える人の登場に期待しています。現状継続よりも期待感に希望を持っていることを伝えてくれました。