活動報告・レポート
2010年11月4日(木)
研修見学会
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研修見学会

本日は一日かけての研修見学会を実施しました。農業電化協会主催による先進事例の研修会を開催しました。研修として、丸紅大阪支社の有機人工土壌を用いた植物工場についての研修と明星建工のLED工場の見学の二箇所に立ち寄りました。丸紅が植物工場に進出したのは、わが国の食料安全保障対策と食の安全と安心志向に対応するためです。食料の安全保障対策に関しては、食料需給率を高めるために国産の食料を確保する必要があること、世界的に食料資源が渇望しつつあること、地球温暖化による天候被害、気象条件変動による生産量不安定化への懸念があることなどから、植物工場を全国に展開しようとしているのです。通常、植物工場というと水耕栽培の印象が強いのですが、丸紅は保湿性のある土壌を開発して室内でありながら植物を土で生育させる方法を採用しているのです。

研修見学会

水耕栽培と比較して手間が掛かりますが、土壌で生育させた野菜は水耕栽培と異なる性質があります。その野菜が本来持っている苦味や堅さなど、野菜本来のおいしさを引き出そうとしているのです。

そして生産性を高めるために、完全閉鎖系植物工場を完成させています。室内型の野菜工場は、天候のリスクが少なくて、立地を選ばないこと、安定的に大量生産できることと省スペースの観点から路地モノと比較して優位性があるのです。

そしてこの土壌は半永久性がありますからコスト削減にもつながります。尤も、土の性能が劣化していきますから、2年から3年で取り替える方が良い選択となることを申し添えます。

続いて訪問したのが明星建工のLED工場です。本日のテーマはLEDを農業で活用することができないかどうかにあります。野菜の室内栽培の場合、現時点では蛍光灯による生育を行っています。LEDを採用するための課題は多く、コストの問題、照度の問題、そして色合いの問題などがあります。明星建工によると、色合いよりも波長の方が野菜にとって大切な要素であることを伝えてくれましたが、これに関しても実証実験を繰り返すことで精度が高められるものです。机上の論理展開や計算式では図れないのが現実社会です。LED照明が蛍光灯よりも優位性があると主張している人がいるのに、まだ農家での採用が少ないのは理由があるのです。

研修見学会

単価が高いことや照度が低いことが代表的な採用しないための理由ですが、それを克服させるためには実証実験を繰り返す以外に方法はないのです。実証実験に適うものはありません。新しい形のLED技術がここから生み出されようとしています。

そして工場見学で驚いたとこは、照明基盤に取り付けられていたLEDを見たことです。LEDとは本当に小さな結晶のようなもので、それが発光して事務所内でも照度不足になっていないのが素晴らしいところです。

メーカーによると、開発費をつぎ込んで商品化したメーカーがLEDの価格を高止めにしていると伺いました。本当はLED安くて収まるものだそうですが、開発費を費やしたメーカーにとっては、後から来たメーカーが価格を下げることを歓迎していないようです。当たり前のことかも知れません。お金を出した人が実益を取れないようでは、何のために開発費用を投資しているのか分らなくなるからです。それがLEDを爆発的な普及につながらない理由のようです。

研修見学会

和歌山県の農業は全国有数の場所です。ここにLEDを採用してくれる公共施設や農家があると、直ぐに実証実験のための試作品を提供してくれると伺いました。和歌山県が花卉栽培や農業にLED技術を採用して行くためには、初期の頃はメーカーに技術を提供してもらえる関係作りが必要です。

果樹王国和歌山県であり、農産業で生活できる環境を整えたいとする施策を生み出している知事がいる県ですから、行政機関主導で新技術を拡大できる環境を整えて欲しいところです。

新しい土壌の開発と、農業へのLED技術が採択されるまでの取り組みのお手伝いをさせてもらいたいところです。研修見学会に参加してもらった関係機関の皆さんに感謝申し上げます。

その他
  • 知事選挙に関する集会に参加したところ、会場は満員で活気溢れる集会でした。約1時間の会合でしたが、熱気が伝わってきました。もう今月、和歌山県知事選挙が告示されるところまできています。
  • その後、清流な会を構成している皆さんの会合にお招きをいただきました。地域活性化を支えるために県議会や市議会があることを確認しました。皆さんに感謝しています。