活動報告・レポート
2010年10月22日(金)
政治経済エネルギー研究会総会
訪問活動
 Kさんが約80人の皆さんのところに連れてくれました。日頃から世話役活動をしているKさんは地域からの信頼が厚く、そんな信頼関係にある皆さんと懇談することは楽しい出来事でした。
 楽しかったことはもう一つあります。それは、Kさんは健康管理のため歩く速度が早く、平均して時速6kmで歩くことです。時速6kmを体験してもらうと分かるのですが、身体にかなりの負荷がかかります。私の歩く速度は相当速いと思っていましたが、時速6kmの速さは負担に感じる心地良さがありました。それを約7kmの距離を歩き回るのですから、身体に負荷がかかり健康管理になるような気がしました。
 さて皆さんとの懇談の中から感じたことを数点紹介します。
 Nさんは酒屋を営んでいます。しかし平成22年末をもって閉店することに内心決めています。地域に酒屋が存在しているのは当たり前の時代がありましたが、今では大型スーパーにお酒類を並べられているため、地域内の酒屋の需要が大幅に減少しています。配達を希望してくれるお客さんは減り続け、それだけでは商売として成立しなくなっています。
 「本当はもっと続けたいけれども、もう限界ですね」。そんな店主の話から、地域コミュニティが存在しなくなっていることを感じました。地域の絆よりも品揃えと価格によって商品を選ぶという現代社会のスタイルが浸透し切っているのです。その昔、1960年代のアメリカ文化に憧れた時代の日本があったと認識していますが、その憧れのアメリカ文化が日本の地域コミュニティを崩壊させたようです。これは快適で豊な方向に向かう時代の流れからすると必然のことですが、少し問題があります。
 日本が、と言うよりも地方の地域社会が高齢社会に突入していることです。やがて自動車の運転ができなくなり、買い物にも支障をきたす場合が予想されます。家庭に配達してくれる昔ながらの小売店や酒屋が存在していない現状からすると、地域社会での一軒家での生活が成り立たなくなりそうです。
 高齢者は福祉施設に入居するか、病院やスーパーなど利便性の高い機能を持つ都心部への移転が選択肢となります。高齢社会は都心部に人が集まり、都心部から離れた地域の人口はさらに減少する方向に向かいそうです。
 それなら高齢社会に即した都市形成が必要ですが、和歌山においてはその片鱗は見られません。小さなまちの酒屋さんの廃業という事実から、将来の都市形成について考えることになりました。

 続いて関西空港と伊丹空港の問題について問題提議がありました。大阪府の橋下知事が伊丹空港廃止の議論を仕掛けています。東京の羽田空港の国際空港化を目指した動きとは逆に、関西空港は国際空港どころか国内線の利便性も低い地方空港のような状態になっているのと対照的です。それは関西に伊丹空港が存在していることも原因です。拠点となる空港を分散させていることが関西空港の機能を低下させていますし、国内線の乗り継ぎが不便な状況では国際空港には成りえません。
 関西発展のためには関西空港を玄関口とする必要がありますが、その議論を仕掛けている橋下知事に対して、関西空港が関西の中心になることによって大きな利益を受ける和歌山県知事の発言がないことに不満を感じていると、意見を伺いました。
 「大阪府と一緒に伊丹空港の廃止をして関西空港のハブ化を進める、と発言するべきなのに、なぜ弱腰なのか分からない」というものです。
 指摘の通りです。和歌山県と関西にとって利益のある方向に進められる機会を逃しているようです。知事も関西空港にシフトすることに賛成していると思いますが、公式には伊丹空港廃止のコメントがないように記憶しています。ここが物足りないところです。
 リーダーは決断力が大切です。和歌山県の将来の方向を決定付けるような議論には明確な意思表示を行い、県民である私たちに期待感を抱かせて欲しいものです。

 そしてMさん。「今の和歌山県で発展することはない」と言い切ってくれました。古い考え方の県と古い議員の議会からは何も生まれないからだと指摘がありました。
 斬新な発想を持って県政を実行しないと、今の延長上から描く将来の姿は、凋落傾向に向かう和歌山県という図式になります。未来を感じさせる県政にするためには新しいリーダーと議員が必要です。大阪府と深い連携や都市部分開発など、未来への投資を実行できる和歌山県と議会に作り変えて欲しいと依頼を受けました。

   もう一つ紹介します。Hさんと一緒に訪問した事務所です。三人の方が集まってくれていて、意見交換をさせていただきました。建設業は仕事が減少して厳しい状態が続いているのですが、ここでは地域の皆さんとの連携にシフトをして、小さな仕事を確実に実行する方向に向かっています。大きな仕事がないとしたら、小さな仕事を積み重ねて信頼関係を構築して行くことができることだとしたら、それを実行していくだけです。
 将来に備えて、今はしっかりと根を下ろす時期かも知れません。春に緑の葉を伸ばしますが、冬は根を張る時期です。来るべき春に備えて、大きく成長することができるような大きな根を張っておきたいものです。
政治経済エネルギー研究会総会
 午後6時30分から、政治経済エネルギー研究会総会を開催しました。総会には約60名の皆さんにお集まりいただき、盛大に開催出来ましたことを感謝申し上げます。皆さんと懇談させていただき激励をいただきましたこと重ねて感謝申し上げます。久しぶりにお会いさせていただいた方もいて嬉しく思いました。
 元市役所の方は、「ずっと応援していました。初めて市議会に来てくれて市のためになる一般質問をしてくれたことを忘れてはいません。また一般質問に際して政策の議論をしたことも楽しい思い出です」と嬉しい話を聞かせていただきました。
 また大阪府から参加してくれたAさんからは「和歌山も大阪もなく関西は一つです。一つの関西を創り上げて行くためには和歌山県にも政治家が必要です。大阪府では大きな志を持った政治家が誕生しようとしています。平成23年の統一地方選挙を突破して、次のステージに向かって関西を盛り上げて欲しいと期待しています」と素晴らしい挨拶をいただきました。確かに大阪府は元気に向かって盛り上がっています。和歌山県も一緒になって盛り上げないと、また変わらないのでは統一地方選挙でも遅れをとります。
 この和歌山県政を支えるために、経済再生と新産業の導入に向けて、この研究会が核となれるように活動したいと考えています。
 また、記念講演を引き受けてくれた和歌山健康センター茂原治さんには心から感謝申し上げます。心地良い雰囲気で総会を終えることができました。皆さんに感謝いたします。