活動報告・レポート
2010年10月18日(月)
地震実験
円高
中古車を輸出している会社の経営者と懇談しました。1ドル80円が迫ってきました。70円台に突入する勢いがありますが、円高によって輸出事業者は大きな損失を受けていると聞きました。国際取引はドルが基本です。日本国内はともかく、現地においてドルの価値は変わりません。日本円で一台200万円の自動車を輸出したとします。仮に輸出先の価格はドル建てで2万ドルだったとします。輸出先での当該自動車の価格は一台2万ドルで変わらないのです。
そして和歌山県のこの会社から自動車を輸出して決済することになりました。取引通貨はドルですから、この会社は2万ドル受け取ります。1ドル110円の時の2万ドルを日本円に変えると220万円を受け取ることができました。ところが現在1ドル80円とすれば、2万ドルを日本円に変えると160万円になります。つまり同じ自動車の取引が成立させたとしても、受取額は60万円もマイナスとなるのです。
これが輸出業における円高の怖さです。つまり同じ商売をしていても利益が薄くなり儲けられないのです。「このままでは商売にならない」と感想を話してくれましたが、日銀の市場介入も空しく円高傾向は続いています。超低金利政策でも円高に振れていますから、これ以上の対策は困難です。各国は早い段階から自国の通貨を防衛しているようです。円の価値を下げるためには通貨供給量を増やすことが必要ですが、インフレ懸念を理由にして円高対策は遅れています。各国とも経済を緩やかなインフレ基調に仕向けていますから、デフレの日本経済との差が広がっています。日本がデフレの罠にはまっているけれども、ここから脱出するのは簡単なことではありません。GDPギャップを埋める位の需要を創造し、それに伴う通貨供給量を増やす対策が考えられますが、インフレ懸念から恐らく実行しないと思います。さて、現状ではデフレ脱却の道は閉ざされています。
和歌山ポンチ
大手コンビニエンスストアと和歌山大学付属小学校が共同開発した和歌山ポンチが商品化されることになりました。関西一円で販売される計画があると聞いていますから、和歌山のフルーツポンチの認知度が上がると思います。街中で、企画としては好ましいという反応があり、和歌山ポンチのこれからに注目しています。
語り部
和歌山市で語り部活動を行っているSさんは和歌山県が大好きですし、和歌山県を広報することにとても熱心な方です。Sさんの語り部としての特長は、文献や資料を読むだけではなくて、語ろうとするものを見るために直接現場に行っていることです。現場に行って伝説や由来などを確認しておくと、臨場感を持って人に話をすることができます。形や大きさを知っているだけでボディランゲージが可能となりますし、伝える言葉に迫力がでます。次回の語り部活動では弓矢の名人の話をすることになりました。実際に伝説の弓矢が保管されているお寺を訪ねて、その弓矢を持たせてもらったそうです。その弓を引くことで所要時間や引くまでの動作が身体に伝わってきます。その体験を語り部として話をするのですから、伝わる内容の深さが違います。そんな語り部が和歌山県にいることは地域にとっての財産です。
地震実験
防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センターで大地震時における病院の防災対策の実験が行われました。実大三次元振動破壊実験施設、通称E-Defenseと呼ばれている施設です。ここで防災関係者の方が集まっての実験が行われました。この施設は、実際の地震と同じ三次元の揺れを作り出すことができる装置です。大きさは15メートル×20メートルの振動台で、その上に1,200トンクラスの構造物を載せて阪神淡路大震災クラスの地震を再現することができます。この振動実験によって、構造物の破壊過程と新しい耐震技術の検証が可能となっています。
さて実験では、震度6の地震が病院を襲う状況を設定しています。震度6の地震においてもこの病院モデルの室内は崩れることはありませんでした。理由を伺うと、免震構造をしているビルと室内対策を講じていることから揺れによる被害は最小限に抑えられているようです。巨大な装置と実験設備は、中に入るだけで人を圧倒します。この巨大なビルを倒壊させるような地震が襲ってくると、免震構造と室内対策を施してないと大惨事になります。和歌山県には巨大なビルは少ないのですが、免震構造は費用がかかるので無理だとしても、事務所や病院、学校において室内対策を実行しておくことが災害から生命を守ることにつながることを再認識しました。室内対策を行っているビルの被害の小ささに驚きました。
懇親会
夜は懇親会に参加しました。本当に素晴らしい皆さんを紹介していただいたことに感謝しています。お付き合いしてもらったお二人の人脈と楽しさは抜群でした。懇談は遅くまで続き、日付変更線を越えていないのに時間は今日の日付を通り過ぎました。二人の信頼による人脈を紹介していただきましたが、「お世話した分は自分に返してもらわなくてよいので、片桐さんに返して欲しい」という姿勢で紹介してくれたのです。素晴らしい紹介方法に感謝するばかりでした。ありがとうございます。