活動報告・レポート
2010年10月7日(木)
委員会視察二日目
委員会視察二日目
 委員会視察の二日目は環境省の生物多様性センターの視察です。同センターの視察目的は次のとおりです。
 平成22年10月18日から10月29日までの期間、名古屋市において生物多様性条約第10回締約国会議が開催されます。通称、CPO10、または国連地球生きもの会議といわれているものです。現在、多様性について議論され始めているため、そのことに関して学ぶことができました。
 生物多様性とは聞き慣れない言葉ですが、自然保護が発展した概念として生物多様性保全へとつながっているようです。自然保護というと、自然に囲まれた地域だけのものと思いますが、私たちが守るべきものは地方にある自然環境だけではありません。都会の中における人が生活できる環境や、生物や植物から受けている恩恵について保全を図ろうとするものです。森林や野生動植物を守るだけではなくて、地球に生きるものがつながりあうことで生きていけることを人類が知ることが地球と命を守ることなのです。
 自然の変化はゆっくりと進展していきます。私たちはそれを感じることはできないのです。そしてある日を境に誰にでも分かるような変化が起こります。そうなった時点で、元に戻そうと思っても、今の状態を守ろうとしても遅いのです。ゆっくりと変化してきた自然は急速に元に戻らないどころか、地球上から消え去ることになるのです。今あるものが地球から消えることは、人類が生きる環境が変化することを意味します。何かの形で共存していたものがなくなる、何かの形でつながっていたものが消えてしまうことは、長い年月で見ると人類にとって大きな問題となります。そんな事態にならないように、今生物多様性保全の大切さに気付くべきなのです。
 さて生物多様性とはみっつの多様性から成り立っています。生態系の多様性、種の多様性、そして遺伝子の多様性です。
 生態系の多様性とは、森や里、川や海などのタイプの異なる自然のことを言います。次の種の多様性とは、鳥や魚、植物など種類の異なる生き物が存在していることを指します。そして遺伝子の多様性とは、同じ種でも形や模様、生態などが違っていることを言います。例えば蛍のお尻が点灯する間隔は中部圏を境として東と西では違うようです。2秒間隔で光る蛍と4秒間隔で光る蛍があるように、生息している環境によって同じ種でも個性が違っているのです。
 このような多様性について同センターは研究をしています。但しテーマが大きいので、遺伝子の多様性や種の多様性までは研究できるとしても、生態系の多様性は大き過ぎるテーマとなっているようです。
 自然保護を発展させた生物多様性の問題を考える契機になりました。文明論にも発展するようなテーマですから、私たちが具体的に何も出来ることはありませんが、最低限の関心を持っておきたい事項です。

 引き続いて山梨市の新エネルギービジョンとバイオマスタウンの取り組みについて調査を行いました。山梨市では太陽光、風力、そしてバイオマス発電によって地球環境保全を図ることと地域活性化を目指した取り組みを行っています。基本的に和歌山県が行っている新エネルギーの取り組みと同様ですが、バイオマスストーブへの補助金支援も行っているなど、家庭用の新エネルギーへの取り組みに熱心です。全国どこの府県でも新エネルギーへの取り組みを行っています。そのため自然環境に恵まれた和歌山県は全国一を目指すべきですし、他の府県と同じ施策をしているようでは話になりません。新エネルギーを含めたエネルギー先進県を目指す気持ちが強くなりました。
 他府県から、新エネルギーの取り組みに関する視察に来てもらえるだけの県を目指したいものです。