活動報告・レポート
2010年10月6日(水)
委員会視察
委員会視察
 今日から三日間、福祉環境委員会の視察に向かいます。福祉と環境の課題は山ほどあります。県外の先進的な取り組みを調査することで予算面での制約がありますが、少しでも県政に反映させたいと考えています。
 初日は県内視察として、和歌山市つつじが丘にある社会福祉法人虎伏学園を訪問しました。理事長以下皆さんが迎えてくれての意見交換と施設の案内をしていただきました。
 児童養護施設の虎伏学園は昭和37年6月に完成した施設で、平成21年までは和歌山市津秦にありましたが、老朽化が進んだため平成21年4月から現在のつつじが丘に移転しています。ここでは様々な事情によって家庭で生活できない高校生以下の児童が、共同生活をしながら学校に通っています。移転と共に児童養護施設の機能に加えて、児童心理療育施設、児童家庭支援センターの機能を加えて、子ども達への総合的支援を行っている和歌山市に欠かせない施設になっています。
 例えば虐待を受けた経験のある子どもは、大人と信頼関係を築くことが難しくなっています。信頼関係を築けないと会話が成り立ちませんし、打ち解けることも困難です。職員の皆さんは精一杯の取り組みをしてくれています。人間関係は信頼の上に成り立っています。それが築けていないとコミュニケーションが図れないのです。家庭の事情によってここで生活をしている児童の皆さんは虐待が理由ではありませんが、大人とのコミュニケーション、つまり社会で生きているための生きる力を身につけることを学んでいます。
 特に躾には厳しく接しています。学校で何かあると、心無い人からは家庭の事情という理由を出されます。児童に関係のないことを揉め事の原因として言われることは絶対に避けなければなりません。そのため児童への躾はしっかりと行い社会人としてスタートを切る日に備えています。
 職員の皆さんと話をすると温かさが伝わってきます。この温かさがここの子ども達の憩いの場所を作ってくれているようです。殴られた経験をした人は人を殴ることで問題を解決しようとします。人に優しく諭された経験のある人は、人には親切に接して問題の解決を図ろうとします。子どもの頃の体験は人格形成にとても大切な時期なのです。温かい心を持った職員さんが、子ども達に優しさを持って接しています。共同生活を通じて、この優しい気持ちで接することが人間として大切なことであることを学んでいきます。温かい人に接している人は温かい気持ちで相手に接することになります。そんな気持ちを持った大人として、高校を卒業する時を迎えて欲しいと願っています。
 さて虎伏学園の移転に際しては、資金調達や建設工事のご苦労を知っているだけに、新しい建物が出来たことを心から嬉しく思っています。和歌山県と和歌山市からも支援を行っているように、児童養護施設としての重い役割を果たしてくれています。そして福祉環境委員会の視察を歓迎してくれた上、時間を割いていただいたことに感謝しています。
 さて県内視察を終えた後、新大阪に移動し山梨県に向かいました。二日目からの県外視察に備えてのものです。明日の視察は、環境省の施設である生物多様性センターと山梨市の新エネルギー施設の二箇所です。