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2012年3月6日(水)
「真相究明に協力」 中1男子自殺未遂で県教育長
紀伊民報

和歌山県田辺市の高雄中学校1年生の男子生徒が昨年12月に自殺未遂したことについて、西下博通県教育長は5日、県議会一般質問で答弁し、「田辺市教委と連携を密にしながら、今後も真相究明に向け全面的に協力していく」と述べた。

片桐章浩議員(改新クラブ)が学校や市教委の対応、再発防止策などを質問した。

片桐議員は学校や市教委の対応に保護者が不信感を抱いていると指摘。これに対し西下教育長は「学校が在籍する生徒に対して責任を持って対応することは当然。家族の不安や心配に、丁寧に耳を傾けながら誠意を持って取り組んでいくことが大切だ」と答えた。

また、仁坂吉伸知事は市教委や学校の対応について「隠したり、ごまかそうとしたりという不適切な対応はなかったように思う。今後も家族と丁寧に向き合いながら誠実に対応を進めてもらいたい」と答弁。再発防止について「教員一人一人に子どもを守り抜くという姿勢を貫いてもらわなければならない。対応困難なケースについては市町村教委や県教委、知事部局が一丸となって対応していくことが大切」と述べた。

男子生徒は昨秋、所属するクラブ活動内のいじめに悩み担任に相談していた。市教委と学校は2月26日、全校生徒を対象にしたアンケートの結果を公表。生徒が学校でいじめに遭っていたことは認めているが、自殺未遂に直接結びつく原因は「見つけられていない」としている。