掲載記事
2011年12月9日(金)
「台風12号の被災前よりインフラ強固に。県が改良復旧事業着手へ」
産経新聞
県は8日、台風12号の被害復旧について国が定める原形復旧の枠を越えて、被災前より安全な公共施設の建設に取り組む方針を明らかにした。原形復旧では同様の災害が発生した場合、再び同規模の被害の恐れがあり、より充実したインフラを整備して住民に安全・安心を提供する。那智勝浦町の那智川周辺の復旧などに活用される見通し。
国土交通省の定める災害復旧事業では、自然災害で被災した河川や道路などの公共土木施設を確実に復旧するため、基本の国庫負担率を3分の2と手厚くする一方、復旧の早さも重視。施設整備は被災前の機能を取り戻す程度にとどめている。このため、被災前より災害に強い施設を建設する場合は、県単独事業とするか、採択条件の厳しい「改良復旧事業」の条件をクリアする必要があった。
県はこの改良復旧事業に着手することを決め、8日の県議会一般質問で明らかにした。
県は「特に被害の大きかった箇所については、国庫補助費を加えた改良復旧事業により機能向上を図る」としており、現在国と協議中。改良部分の事業費はほぼ2分の1を国が補助する見通し。県内で改良の必要が迫られているのは河川で、特に被害の大きかった那智勝浦町の那智川の拡幅や堤防整備、河床掘削などが課題となっている。