掲載記事
2011年9月27日(火)
「台風12号改新クラブの仲間と被災地で目にしたものは」
紀州じゃーなる

和歌山県議会改新クラブの5人(長坂議員、藤本議員、浦口議員、谷口議員、片桐議員)で台風12号による被災地を訪れました。田辺市大塔村から川湯温泉、本宮町に入り各地を調査しました。台風15号接近時には立ち入り禁止区域になった大塔村熊野では、大規模な自然ダムが発生していて取り除くことは困難な状況であることが分かりました。もし大雨が降ったり、次の土石流が発生した場合、事前ダムは決壊、下の集落に大量の水と土石流が流れ込む災害につながる恐れがあります。国土交通省による調査が行われていますが、自然ダムの下流にセンサーをつけ自然ダムの状態を調査している段階です。予断を許さない、そして一刻も早い解決が求められています。大塔村熊野の山頂に、道なき道を登り、上から自然ダムを見る、その規模の大きさと、決壊した時の影響を考えると、迅速な対応の必要性を実感できました。この地域の自然ダムは、山が地すべりでそのまま下にズレ落ちている状況です。つまり山が移動した感じで、安定していない土砂が下にある川を覆っています。大雨で岩盤が不安定ですから、次の土砂崩れが発生しそうな感じなのです。

また山に縦のクラック、ひびが入り、少しの衝撃で山崩れが発生しそうな状態でもあります。現地に入ると、地盤が緩んでいる山に大雨が降ると次の土石流になる恐れがあることが分かります。報道だけでは分からない実態が現場にはあります。多くの人が想像しているよりも酷い状態で放置されているのです。

「土石流の怖さと被害の大きさに言葉がない」

また実際に洪水被害を受けた家屋も訪ねました。川が増水し家屋に向かって水が流れ込んできたようです。一階部分は全て水に沈み、土砂で家屋内は埋もれ、当然のことですが電気製品や家具は使用できない状態になっています。家族で土砂を家屋の外に運びでしていましたが時間のかかかる作業です。

「これまで川が増水することはありましたが、ここまで来たのは初めてのことです。夜間だったのですが土地の高いところに逃げたので助かりました」という話を伺いました。逃げ遅れると生命の危険に晒されるところだったことが現地の状況から分かります。

川湯温泉や本宮地域でも建物の一階部分は水浸しで、大雨、そして土石流の怖さと被害の規模の大きさに言葉はありません。正に想像以上という言葉で表現する以外にありません。普段は穏やかで川幅も広い熊野川ですが、ここが増水して熊の本宮大社の上り口付近まで水位があがったことは信じられないことです。今日はいつも通りの水位で穏やかな流れに戻っていましたが、確かに川の水は茶色に濁ったままでした。被災地復旧に向けて、県議会では約672億円の大型の補正予算を成立させ、復旧に向けた取り組みを行っています。